子どもの歯並びと姿勢の関係とは?早期改善で防げる10の悪習慣
2025年12月9日

子どもの歯並びが気になる親御さんへ
お子さんの歯並びについて、心配されている親御さんは多いのではないでしょうか。
実は、歯並びの悪化は遺伝だけが原因ではありません。日常生活の中で無意識に行っている「姿勢」や「癖」が、お子さんの歯並びに大きな影響を与えているのです。特に3歳から9歳までの成長期は、顎の発育にとって極めて重要な時期であり、この時期の姿勢や習慣が将来の歯並びを左右します。
本記事では、歯科医療の専門的な視点から、子どもの歯並びと姿勢の関係性について詳しく解説します。また、早期に改善すべき10の悪習慣と、その具体的な対策方法もご紹介していきます。
なぜ姿勢が歯並びに影響するのか?
歯並びと姿勢の関係を理解するには、まず「口腔周囲筋」の役割を知る必要があります。
口腔周囲筋と歯並びのメカニズム
歯並びが悪くなる主な原因は「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全です。歯は、口唇・頬・舌の筋力のバランスによって生える位置が決まります。このバランスが適切に保たれていると、歯は本来並ぶべき位置に正しく生えてきます。
しかし、姿勢が悪いと口腔周囲筋のバランスが崩れてしまうのです。
例えば、猫背の状態が続くと下顎が前方に押し出され、噛み合わせに悪影響を及ぼします。また、背筋が左右どちらかに傾いた状態で食事をしていると、片側の歯ばかりで噛むため、よく使う側の顎が過度に発達し、顎のバランスが崩れてしまいます。

姿勢と呼吸の深い関係
姿勢の悪さは呼吸にも影響します。
背中が丸まっていると、首や顎の位置がずれて気道が狭くなり、鼻呼吸がしづらくなります。その結果、口呼吸が習慣化してしまうのです。口呼吸が続くと、舌の位置が下がって歯列に圧力がかかり、歯並びが悪くなることがあります。
さらに、口呼吸は口腔内の乾燥を招き、むし歯や歯周病のリスクも高めてしまいます。
早期改善で防げる10の悪習慣
ここからは、お子さんの歯並びを悪化させる具体的な悪習慣を10個ご紹介します。
1. 猫背
猫背でいると、下顎が前に突き出しやすくなります。
下顎が前に突き出した状態が続くと、歯並び・噛み合わせの乱れや顎の成長不全・成長異常をひき起こしやすくなります。また、下顎が前に突き出すと、お口がポカンと開きやすく、口呼吸になりやすいという悪循環も生まれます。
テレビを見ている時やゲームをしている時に背中が丸まっていないか、定期的にチェックしましょう。
2. 足がつかない椅子での食事
足がつかない椅子は踏ん張りが効かず、猫背になりやすいです。
しっかりと噛むためには、足を地面や足置き台にしっかりとつけることが重要です。足がブラブラしたままで食事をしていると、十分に噛むことができず、顎の発育が悪くなる可能性があります。顎が小さいために歯が並ぶスペースが不足すると、行き場をなくした歯が傾いて生えるなど、歯並びが悪化するリスクが高まります。
お子さんの成長は早いので、定期的に足置き台やステップの高さを調整することも大切です。

3. 添い寝して授乳・横向き寝・うつぶせ寝
赤ちゃんのときに添い寝して授乳したり、子どもの横向き寝・うつぶせ寝が習慣化すると、左右どちらか片方の顎の筋肉・骨格に偏った力がかかりやすいです。
顎の筋肉・骨格に偏った力がかかり続けると、歯並び・噛み合わせの乱れや顎の成長不全・成長異常をひき起こしやすくなります。寝ているときの姿勢も、親御さんが定期的にチェックし、できるだけ仰向けで寝る習慣をつけることが望ましいです。
4. 頬杖
頬杖は、左右どちらか片方の顎の筋肉・骨格に偏った力がかかりやすいです。
頬杖は、下顎を下から突き上げる力もかかります。頬杖により、顎の筋肉・骨格に対する偏った力と下顎を下から突き上げる力がかかり続けると、歯並び・噛み合わせの乱れや顎の成長不全・成長異常をひき起こしやすくなります。
お子さんが無意識に頬杖をついていたら、「お顔が歪んじゃうかもしれないよ」と優しく声かけし、姿勢を正す習慣づけを促しましょう。
5. 指しゃぶり・おしゃぶりの長期化
乳幼児期の指しゃぶりやおしゃぶりは自然な行動ですが、3〜4歳以降も続くと要注意です。
指や乳首を吸う力が前歯にかかり続けることで、前歯が噛み合わない「開咬」や、上の前歯が前方に出る「出っ歯」、顎のズレや顔の左右非対称などのリスクがあります。就学前までに自然にやめられると、改善が見込めることもあります。
6. 口呼吸・お口ポカン
「いつも口が開いている」「鼻ではなく口で呼吸している」という様子が見られる場合は、”お口ポカン”の状態かもしれません。
口呼吸が習慣化すると、唇や舌の筋力低下による前歯の傾斜、顎の成長バランスの乱れ、口腔内の乾燥によるむし歯や歯周病のリスク、鼻づまりや風邪の引きやすさにも影響します。お口ポカンが続くと、歯並びだけでなく全身の健康にも関わることがあるため、早めに鼻呼吸へ改善することが大切です。
7. 舌の癖(舌突出癖)
飲み込みや発音の際に舌で前歯を押す癖があると、歯列への影響が出ることがあります。
舌が常に前歯を押し出す力が働くことで、上下の前歯が共に前方へ傾き出てしまい(上下顎前突)、前歯の開咬も引き起こしやすくなります。また、舌癖は発音の不明瞭さや食べこぼしにもつながることがあります。
癖が強い場合には、口腔筋機能療法(MFT)のトレーニングによって、正しい舌の位置や飲み込み方を身につけることが可能です。
8. 爪噛み・鉛筆噛みなどの癖
緊張や集中時に爪を噛んだり、鉛筆やおもちゃを噛んだりする癖があるお子さんも多く見られます。
前歯が前方に押し出されて「出っ歯」になったり、前歯が噛み合わなくなったり、歯の欠けや歯ぐきの炎症リスクも高まります。こうした癖が続くと、歯に過剰な力が加わり、歯列不正の原因になることがあります。気づいた時点で、爪を短くする、苦味マニキュアを使ってやめさせるなどの工夫を取り入れてみてください。

9. 片側噛み
片方の歯だけで噛む癖があると、顔の左右の筋肉のバランスが崩れ、歯並びに影響を与えることがあります。
噛み合わせのバランスが崩れると、顎関節にも負担がかかります。食事の際には、両方の歯を均等に使うように意識することが大切です。姿勢と口の機能は連動していますので、普段から姿勢良くまっすぐ座ること、左右バランスよく噛むよう、声かけをしましょう。
10. やわらかいものばかり食べている
やわらかい食べ物ばかり食べると、顎の筋肉が十分に発達せず、歯並びに影響を与えることがあります。
噛む力が弱くなると、歯が正しい位置に移動しづらくなります。固めの食べ物を適度に取り入れることが、顎の発達にとって重要です。よく噛むことを意識するためにも、食事中はテレビを消しておくのが理想です。
年齢別の予防矯正アプローチ
お子さんの年齢によって、適切な予防矯正のアプローチは異なります。
0歳〜2歳:姿勢の訓練
歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうことがあります。
この時期は、親御さんと一緒にお子さんの正しい「姿勢」を獲得する訓練を行います。添い寝授乳や横向き寝を避け、できるだけ仰向けで寝る習慣をつけることが大切です。
3歳〜5歳:インファント装置の使用
インファントという取り外しできるマウスピース型の装置を1日2回10分〜20分利用することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。
この時期から口呼吸や指しゃぶりなどの悪習慣を改善することで、将来の本格的な矯正治療が必要になるリスクを大幅に減らすことができます。
6歳〜9歳:歯列矯正用咬合誘導装置と訓練
歯列矯正用咬合誘導装置という取り外し式の装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。
歯並びが悪くなる口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどを改善します。この時期の治療(Ⅰ期治療)で改善できれば、治療期間が短くなり、費用も少なくて済みます。むらせ歯科茂原院では、患者さんの身体的負担や経済的負担を軽くするため、なるべくⅠ期治療で矯正が終了するように治療を進めています。
家庭でできる姿勢改善のヒント
歯科医院での治療と並行して、家庭でも姿勢改善に取り組むことが重要です。
正しい座り方を習慣に
椅子に座るときは、背筋を伸ばし、足をしっかり床につけるように心がけましょう。
お子さんで床に足がつかない場合は、足をのせる台を用意すると正しい姿勢を促すことができます。座る姿勢を改善することで、日常生活での姿勢も自然と良くなります。テーブルの高さは、ひじが机の上に無理なくのせられる程度が目安です。
食事中の環境づくり
食事中にテレビをつけっぱなしにしていると、お子さんがテレビに気を取られ、背筋が傾いてしまうことがあります。
横を向いたまま食べ続ける、食事中にしょっちゅう後ろを振り返っている、といった場合、正面を向いて食べられるよう環境設定が必要です。よく噛むことを意識するためにも食事中はテレビを消しておくのが理想ですが、どうしても見せたい場合は、テレビの位置と座る場所を工夫しましょう。
ストレッチとエクササイズ
姿勢を改善するためには、定期的なストレッチやエクササイズが効果的です。
特に、背筋を伸ばすストレッチや、体幹を鍛えるエクササイズは、正しい姿勢を維持するのに役立ちます。お子さんと一緒に楽しみながら取り組むことで、習慣化しやすくなります。
むらせ歯科茂原院の小児矯正について
むらせ歯科茂原院では、子どもの矯正治療に特化したサービスを提供しています。
Ⅰ期治療とⅡ期治療の2段階アプローチ
子どもの矯正治療は「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分けて行います。
歯並びの状態によってはⅠ期治療で完了することが可能です。Ⅰ期治療だけで終わる場合、治療期間が短くなり、費用が少なくて済みます。とはいえ、口の状態によってはⅡ期治療が必要になるケースもあるので、その場合には、お子さんと親御さんにしっかりと治療の説明を行い、納得いただいてから治療を開始します。
治療の流れ
治療は以下の流れで進みます。
①矯正相談:歯並びの不安や疑問点などについてお伺いし、最適な矯正治療プラン、時期、金額などについて詳しくご説明します。②資料取り(検査):お口の状態や身体の状態などを詳しく把握するための検査を行います。③診断:資料の診断結果についてご説明させていただき、治療の流れや費用などについてご案内します。④治療開始:予防矯正または本格矯正を開始します。⑤メンテナンス・保定治療:きれいに並んだ歯並びを維持するための治療です。
費用について
矯正費は、歯並びの症状や治療内容によって異なります。
予防矯正は440,000円、本格矯正(唇側マルチブラケット矯正)は770,000円〜880,000円、マウスピース矯正(インビザライン)は880,000円〜1,100,000円となっています。資料取り・診断料は33,000円です。矯正治療は自費診療となります。
まとめ:早期発見・早期改善が鍵
子どもの歯並びは、遺伝だけでなく日常の姿勢や習慣に大きく影響されます。
特に3歳から9歳までの成長期は、顎の発育にとって極めて重要な時期です。猫背、足がつかない椅子での食事、頬杖、指しゃぶり、口呼吸、舌癖、爪噛み、片側噛み、やわらかいものばかり食べる習慣、横向き寝など、10の悪習慣を早期に改善することで、将来の歯並びを大きく改善できる可能性があります。
家庭での姿勢改善と並行して、専門的な予防矯正を受けることで、より効果的に歯並びの問題を予防・改善できます。
お子さんの歯並びが気になる方、姿勢や悪習慣が見られる方は、早めに歯科医院にご相談ください。むらせ歯科茂原院では、お子さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療プランをご提案し、健やかな成長をサポートいたします。まずはお気軽に矯正相談にお越しください。






