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インプラント治療前に知るべき骨量の重要性|骨造成が必要なケースとは

2025年12月15日

インプラント治療前に知るべき骨量の重要性|骨造成が必要なケースとは

インプラント治療における骨量の重要性

インプラント治療を検討されている方の中には、「骨が足りない」と言われて戸惑った経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

インプラント治療は、失った歯の機能を取り戻すための優れた選択肢ですが、その成功には「顎の骨の状態」が大きく関わっています。骨の量や質が不足していると、インプラントを安全に埋め込むことが難しくなるだけでなく、治療後の長期的な安定性にも影響を及ぼす可能性があります。

当院では、天然歯を可能な限り残すことを第一に考えていますが、どうしても歯を残せない場合の選択肢として、安全で確実なインプラント治療を提供しています。そのためには、治療前の徹底した診査診断が欠かせません。

この記事では、インプラント治療における骨量の重要性と、骨が不足している場合の対処法である「骨造成」について詳しく解説します。

骨量・骨質・骨密度…インプラント治療に必要な骨の条件

インプラント治療の成功を左右する要素として、「骨量」「骨質」「骨密度」という3つの指標があります。

これらは一見似ているようですが、それぞれ異なる意味を持っています。

骨量とは何か

骨量とは、骨全体に含まれるミネラル成分などの量を指しています。単純な骨の体積ではなく、顎の骨の外形や全体的な評価に使われる指標です。インプラント治療においては、少なくとも高さ10ミリ、幅8ミリ以上の骨量があることが理想的とされています。

下顎の場合は、下顎管という神経や動脈が通っているトンネルを避けて、この骨量を確保する必要があります。

骨質という概念

骨質には医学的な明確な定義はありませんが、インプラント治療においては「骨の硬さ」や「骨の強度」という意味で捉えられています。骨質を決めるのは、骨のコラーゲン線維の量や石灰化の具合、骨の構造などです。

石灰化が進むと骨は硬くなり、コラーゲン線維の量が増えると軟らかくなります。

骨密度の役割

骨密度は、骨に含まれるミネラル成分の量を単位体積あたりでどれくらいあるかを測ったものです。骨密度が高いほど、インプラントの「初期固定」が得られやすくなります。初期固定とは、インプラントを埋め込んだ時の安定性を意味しており、インプラントの予後を決める重要な要素です。

骨量や骨密度が高いほど初期固定が有利となり、インプラントと骨が結合しやすくなることが明らかになっています。

なぜ骨が不足するのか…骨吸収のメカニズム

歯を失った後の顎の骨は、使われなくなることで自然と痩せてしまいます。

これを「骨吸収」と呼びます。

骨は日常的な咬む刺激によって維持されていますが、歯が抜けるとその刺激が失われ、時間の経過とともに骨はどんどん減少していきます。特に抜歯後そのままにしておくと、インプラントを支えるのに十分な骨量が確保できない状態になることがあります。

また、歯周病の重症化により骨吸収が進んだ場合も、骨が欠損した状態になります。歯周病は歯を支えている骨を溶かす病気であり、進行すると歯槽骨を一度失ってしまうため、その部分へのインプラント埋入が難しくなります。

骨が欠損した部分では、骨を作る「骨芽細胞」よりも、骨にならない「線維芽細胞」の方が増殖しやすいという特徴があります。

CT撮影とシミュレーションソフトによる正確な診査診断

当院では、インプラント治療の安全性を最優先するため、治療前の診査診断を徹底しています。

その中核となるのが、CT撮影とシミュレーションソフトの活用です。

CTによる立体的な骨の把握

CTとは、骨の量や厚さ、神経の位置を立体的に把握できる撮影機器です。従来のレントゲンは一方向からしか見ることができなかったため、骨格の全体像や神経・血管との位置関係が今ほどはっきりとは分かりませんでした。

CTはあらゆる角度から撮影できるので、正確な診査診断ができ、安全性と治療のクオリティを高めることができます。

シミュレーションソフトで手術計画を明確化

CT撮影したデータをシミュレーションソフト(ノーベルガイド)に取り込むことで、手術の手順などを明確にすることが可能です。何ミリ歯茎を切ればいいのか、インプラントを入れる方向や深さ、インプラントのサイズ、神経や血管の位置など、必要な情報を1つひとつ確認できるので、正確な手術が可能になります。

このような事前の情報収集や診査診断、患者さんオリジナルの治療計画の立案が、安全なインプラント治療につながります。

骨造成とは…骨を増やす治療法の概要

骨造成とは、インプラントを安定して埋めるために、足りない骨を増やす外科的処置です。

一般的には、人工の骨補填材や自分自身の骨を使って、骨が足りない部分を補います。数ヶ月かけて骨が再生・定着するのを待ち、その後インプラントを埋め込みます。人工の骨補填材の場合は吸収に約半年から1年の期間がかかります。

また自分自身の骨を使う場合は採取できる量に制限があること、状況によっては手術部位が二か所以上になるため、身体の負担が大きくなるというデメリットがあります。

GBR法(骨誘導再生法)

GBRは、Guided Bone Regenerationの略で、日本語では骨誘導再生法と訳される治療法です。骨が足りない部分に人工骨を詰め、特殊な膜で覆って骨の再生を促す方法です。特殊な膜で囲んだ中に人工骨をパンパンに詰めてソーセージのようにするソーセージテクニックと呼ばれる方法もあります。

人工骨の種類にもたくさんの種類があります。牛の骨を利用した人工骨、ヒトの骨を利用した人工骨、自分の骨を利用するものがあります。後者になるほど成功率が良いとされています。特殊な膜は骨ができた後に取り除くことが多いので、骨造成とは別に膜を取り除く手術も必要になります。

サイナスリフト

上顎の骨は「上顎洞」という名前の副鼻腔につながっています。上顎の骨が薄い場合に、上顎洞側に骨を造ることをサイナスリフトと言います。上顎洞にはシュナイダー膜という膜が元々あるので、その膜を破らないように剥がして、人工の骨を詰めることで骨を造ります。

膜を破らないようにするためには、骨を大きく削って中の様子がよく見えるようにしなければなりません。そのためサイナスリフトは身体への負担が大きく、痛みや腫れが伴うことが多いです。

ソケットリフト

ソケットリフトとは歯を抜いた後のくぼみ(ソケット)から骨に穴を開けて、部分的に上顎洞に骨を造る方法です。サイナスリフトに比べて骨を削る量が少ないため、痛みや腫れが少ないという利点があります。

ただし前述したシュナイダー膜が破れてしまうことが多く、破れないように人工の骨を詰めていくためには熟練の技が必要です。当院ではソケットリフトの症例が多数ありますので、お気軽にお問い合わせください。

骨造成のメリットとデメリット

骨造成を行うことで、インプラント治療の安全性と長期的な安定性を高めることができます。

しかし、治療期間の延長や身体的負担といったデメリットも存在します。

骨造成を行うメリット

骨造成により十分な量の骨を確保できると、インプラントを埋め込んだ際に骨を突き抜けたり、歯ぐきから露出したりなどのトラブルを防げます。また、手術時のリスクを軽減でき、より安全にこだわった治療の実現が期待できます。

さらに、骨造成を行った結果、噛み合わせに適した理想的な位置へインプラントを埋入することができます。そのため、審美性や機能性が向上します。定期的なケアを続ければ長期間にわたって安心して使用できるようになります。

骨が痩せている場所は歯ぐきが下がり、周囲の歯や歯ぐきとのバランスが悪くなっている可能性があります。骨造成によって骨が確保できると、歯と歯ぐきのバランスが改善され、見た目の美しさを取り戻せるようになります。

骨造成のデメリット

骨造成を行うときは外科手術のうえ、自家骨や骨補填材が骨として再生されるまで数ヶ月間の期間を待たなければなりません。当初予定していた治療期間よりも長くなることがほとんどです。

また、喫煙などの習慣や全身疾患などをお持ちの場合は、骨造成後の治癒がうまくいかない恐れがあります。その場合はインプラントではなく、入れ歯やブリッジを用いた治療のご案内が可能です。

当院のインプラント治療の特徴…安全性を最優先

当院では「インプラント治療はどうしても歯を残すことができない場合の1つの選択肢」と考えています。

天然歯に勝る人工歯はありませんので、「歯を残せる」と判断した場合はできる限り抜かない方向で治療法を考えます。

ガイデッドサージェリーによる正確な手術

ガイデッドサージェリーとは、インプラント手術を正確に行うための道具のことです。CTデータとシミュレーションソフトによる分析で得られた、インプラントを埋め込む位置、角度、深さなどの情報を反映させたマウスピースのようなものとお考え下さい。

さらに、手術時間の短縮になったり、骨が少なくて他院では断られたりした場合でも手術できる可能性が高くなります。

世界シェアトップのインプラントメーカーを使用

当院では、世界シェア1位の「ストローマン社のインプラントシステム」と、世界シェア2位の「ノーベルバイオケア社のインプラントシステム」を使用しています。シェアが高いということは、それだけ多くの治療実績があり、世界中の歯科医師から信頼を得ているという証です。

インプラントメーカーは世界で200社、日本だけでも30社以上存在しますが、これら全てを兼ね備えたメーカーは多くはありません。当院で取り扱っているインプラントメーカーは、自信をもってお勧めすることができます。

インプラント周囲炎の予防とメンテナンス

インプラントは入れたら終わりではなく、長く使い続けるために「治療後のメンテナンス」が必要になります。メンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」という病気になる可能性があるからです。

インプラント周囲炎とは、歯周病と同じでインプラントを支えている骨を溶かす病気です。見た目の炎症や腫れがあまり目立たないのが特徴で、病気の進行するスピードは天然歯(自分の歯)に比べて約10~20倍速くなります。

当院には、科学的根拠に基づいたオリジナルのメンテナンスシステムがあります。患者さんオリジナルのメンテナンスプログラムを作成し、口の状態やインプラントの管理を徹底して守っています。

安心の10年保証システム「ガイドデント」

当院では10年の保証期間を設けています。さらに、当院はインプラント第三者保証機関「ガイドデント」に認定されているので、一般的には保証対象にならないケースでも保証できます。

一般的には、予期しない事故(交通事故など)は保証の対象になりません。しかし当院の保証システムは、転倒などの家での事故や仕事、スポーツ、レジャー中の様々なシーンで起きるインプラントの破折、脱落も無償で再治療を行います。

引っ越しで当院に通うことが難しくなった場合には、再治療ネットワークで最寄りの認定医院をご紹介します。そのため、保証内容が変わることなく同じ条件で保証を受けることが可能です。

まとめ…骨量の確保がインプラント治療成功の鍵

インプラント治療における骨量の重要性について解説してきました。

骨量・骨質・骨密度という3つの指標が、インプラントの初期固定や長期的な安定性に大きく影響します。骨が不足している場合でも、GBR法やサイナスリフト、ソケットリフトといった骨造成を行うことで、安全なインプラント治療が可能になります。

当院では、CT撮影とシミュレーションソフトを活用した正確な診査診断、ガイデッドサージェリーによる安全性の高い手術、世界シェアトップのインプラントメーカーの使用、そして科学的根拠に基づいたメンテナンスシステムにより、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。

インプラント治療を検討されている方、他院で「骨が足りない」と言われた方も、まずは一度ご相談ください。天然歯を可能な限り残すことを第一に考え、どうしても歯を残せない場合の選択肢として、安全で長期的に使える高品質なインプラント治療をご提案いたします。

むらせ歯科茂原院では、患者さんの大切な歯と健康を守るため、最新の技術と豊富な経験をもとに、安心・安全なインプラント治療を提供しています。お気軽にお問い合わせください。

 

口腔筋機能療法で歯並び改善!子どもの舌トレーニング入門

2025年12月9日

口腔筋機能療法で歯並び改善!子どもの舌トレーニング入門

子どもの歯並びを左右する「舌の位置」とは?

お子さんの歯並びが気になったことはありませんか?

実は、歯並びの悪化には「舌の位置」が大きく関係しています。普段何気なく過ごしている時、舌が正しい位置に収まっているかどうかで、将来の歯並びが大きく変わってくるのです。現代の子どもたちは、食生活や生活習慣の変化によって、舌の位置が下がっている「低位舌(ていいぜつ)」になりやすい傾向にあります。

低位舌は、出っ歯や受け口、歯並びのガタガタといった不正咬合の原因となるだけでなく、口呼吸や発音の問題、さらには虫歯や歯周病のリスク増加にもつながります。しかし、適切なトレーニングを行うことで、これらの問題を予防・改善できる可能性があるのです。

口腔筋機能療法(MFT)が注目される理由

口腔筋機能療法(MFT:Oral Myofunctional Therapy)は、口周りの筋肉を鍛えて正しく機能させるためのトレーニングプログラムです。

近年、小児歯科や矯正歯科の分野で注目を集めており、日本口腔筋機能療法学会では毎年学術大会が開催され、最新の研究成果や臨床事例が共有されています。MFTは単に歯並びを整えるだけでなく、舌癖や口呼吸の改善、咀嚼・嚥下機能の向上、発音の改善など、口腔機能全体の健全な発達を促す効果が期待できます。

MFTで改善が期待できる症状

口腔筋機能療法は、以下のような症状の改善に効果が期待できます。

  • 歯並びの問題・・・出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)、開咬、叢生(八重歯など)
  • 口腔習癖・・・舌癖、口呼吸、指しゃぶり、唇を噛む癖
  • 機能的問題・・・発音障害、咀嚼・嚥下の問題、むせやすさ
  • その他・・・いびき、睡眠時無呼吸、顔の歪みやたるみ

特に成長期の子どもは、顎や顔面の発達が活発な時期であるため、早期にMFTを開始することで、より効果的に口腔機能を改善できる可能性があります。

矯正治療との相乗効果

MFTは矯正治療と並行して行うことで、治療効果を高めることができます。

歯列矯正用咬合誘導装置やマウスピース矯正などの装置を使用する場合でも、舌や口周りの筋肉のバランスが整っていなければ、治療後に「後戻り」が生じる可能性があります。MFTによって正しい舌の位置や口唇閉鎖を習慣化することで、矯正治療の進行がスムーズになり、治療後の安定性も向上します。実際、むらせ歯科茂原院では、小児矯正のⅠ期治療において歯列矯正用咬合誘導装置とともに、舌・口・呼吸のトレーニングを組み合わせることで、歯並びが悪くなる原因そのものを改善するアプローチを採用しています。

舌の正しい位置を知ろう

MFTを始める前に、まずは「舌の正しい位置」を理解することが重要です。

正しい舌の位置(スポット)

口を閉じてリラックスしている時、舌は以下の位置にあるのが理想的です。

  • 舌の先端(舌尖)が、上の前歯の付け根の少し後ろ(切歯乳頭の後方)に軽く触れている
  • 舌全体が上顎(口蓋)にピッタリと吸い付いている
  • 舌は歯には一切触れていない

この位置を「スポット」と呼びます。スポットに舌が正しく収まっていると、上顎に適度な刺激が加わり、顎の正常な成長が促されます。

低位舌(ていいぜつ)のチェック方法

お子さんの舌が正しい位置にあるか、以下の項目でチェックしてみましょう。

  • 普段、口がポカンと開いている
  • 舌の先端が下の歯に触れている、または下の歯よりも下に落ちている
  • 飲み込む時に舌を前に突き出す
  • 食べる時にくちゃくちゃと音が鳴る
  • 発音がしにくい、特にタ行・ナ行・ラ行が不明瞭

これらに当てはまる場合、低位舌の可能性があります。低位舌を放置すると、歯並びの悪化だけでなく、口呼吸による感染症リスクの増加や、集中力・思考力の低下にもつながる可能性があります。

自宅でできる!子どもの舌トレーニング実践法

ここからは、ご家庭で親子一緒に取り組める舌トレーニングをご紹介します。

トレーニングは楽しく、無理なく続けることが大切です。お子さんが変顔遊びのように楽しめる雰囲気を作りながら、毎日少しずつ実践してみましょう。トレーニングの適切な開始時期は、3歳から10歳頃が理想的とされています。この時期は顎の発達が活発で、舌の筋肉を鍛える効果が出やすいためです。

①スポット運動:正しい舌の位置を覚える

まずは、舌の正しい位置を体で覚えるトレーニングです。

やり方

  • 姿勢を正して、少し顎を引く
  • 舌全体を上顎にギューッと10秒間押し付ける(この時、下顎を触ると硬くなっているのが分かります)
  • 上を向いて、舌を天井に向かって伸ばし、緩める動作を10回繰り返す
  • 舌を天井に向けたまま、左右に動かす

このトレーニングを1日2〜3回行うことで、舌の筋力が強化され、正しい位置を維持しやすくなります。

②ポッピング訓練:舌の挙上力を鍛える

舌を上顎に吸い付けて、口を開けた時に「ポンッ」と音を鳴らすトレーニングです。

やり方

  • 舌全体を上顎に吸い上げる
  • 舌小帯(舌の裏側の筋)を伸ばすように、口を大きく開ける
  • 「ポンッ」と音が鳴るように舌を離す
  • これを10回繰り返す

研究によると、ポッピング訓練を1日30回、週5回×4週間続けることで、舌圧の増加だけでなく、咀嚼能力やオーラルディアドコキネシス(口の動きの速さ)の改善にもつながることが示されています。

③リップエクササイズ:口唇閉鎖力を強化

口周りの筋肉を鍛えることで、口呼吸を改善し、正しい鼻呼吸を促します。

ボタンプル

  • 奥歯を噛み合わせる
  • 前歯と唇の間に紐付きボタンを挟む
  • 唇でボタンが外れないように押さえながら、紐を強く引く

風船トレーニング

風船を膨らませることで、唇と頬の筋肉を効果的に鍛えられます。毎日少しずつ膨らませる練習をしましょう。

④ティップ・ホッピング:舌先の動きを滑らかに

舌先を細くして、スポットに繰り返しタッチする動作です。

やり方

  • 舌先を細く尖らせる
  • スポット(上の前歯の付け根の後ろ)に舌先を軽くタッチする
  • 舌を離して、再びタッチする動作を繰り返す
  • リズミカルに10〜20回行う

このトレーニングは、発音の改善にも効果的です。タ行・ナ行・ラ行の発音がしにくいお子さんに特におすすめです。

年齢別トレーニングアプローチ

子どもの年齢や発達段階に応じて、適切なトレーニング方法は異なります。

0歳〜2歳:姿勢と抱っこの仕方に注目

この時期は、まだ本格的な舌トレーニングは難しい年齢です。しかし、歯並びは口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が影響することがあります。親御さんと一緒に、お子さんの正しい姿勢を獲得する習慣づけを行いましょう。授乳時の姿勢や、離乳食の与え方も、口腔機能の発達に影響します。

3歳〜5歳:マウスピース型装置の活用

この年齢では、「インファント」という取り外し可能なマウスピース型装置を使用することがあります。1日2回、10分〜20分程度装着することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。また、簡単な舌の遊びやトレーニングを楽しみながら取り入れることで、自然に正しい舌の位置を覚えていきます。

6歳〜9歳:本格的なMFTと装置の併用

永久歯が生え始めるこの時期は、MFTの効果が最も期待できる年齢です。歯列矯正用咬合誘導装置という取り外し式の装置と、舌・口・呼吸の訓練を組み合わせて行います。口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどの悪習癖を改善し、正しい口腔機能を確立することで、Ⅰ期治療だけで矯正が完了する可能性も高まります。

MFTを成功させるためのポイント

口腔筋機能療法を効果的に進めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

継続が何より大切

MFTは、短期間で劇的な変化が現れるものではありません。毎日コツコツと続けることで、少しずつ筋肉が鍛えられ、正しい舌の位置や口唇閉鎖が習慣化されていきます。1日5〜10分程度の短時間でも構いませんので、毎日の習慣として取り入れることが成功の鍵です。お子さんが楽しく続けられるよう、ゲーム感覚で取り組んだり、できたらシールを貼るなど、モチベーションを保つ工夫も効果的です。

専門家の指導を受ける

自宅でのトレーニングも大切ですが、定期的に歯科医院や矯正歯科で専門家のチェックを受けることをおすすめします。

日本口腔筋機能療法学会の認定を受けた歯科医師や歯科衛生士による指導を受けることで、お子さんの状態に合わせた適切なトレーニングプログラムを組むことができます。また、トレーニングの効果を客観的に評価してもらうことで、モチベーションの維持にもつながります。舌圧測定器やリットレメーター(口唇閉鎖力測定器)などの専門機器を使った評価も、治療の進捗を確認する上で有効です。

生活習慣全体の見直し

MFTの効果を最大限に引き出すためには、トレーニングだけでなく、日常生活の習慣も見直すことが重要です。

  • 食事・・・よく噛む必要のある食材を取り入れ、咀嚼回数を増やす
  • 姿勢・・・猫背を避け、正しい姿勢を意識する
  • 呼吸・・・鼻呼吸を習慣化し、鼻づまりがある場合は耳鼻科で治療を受ける
  • 睡眠・・・適切な枕の高さや寝姿勢を整える

これらの生活習慣の改善とMFTを組み合わせることで、より効果的に口腔機能を向上させることができます。

矯正治療との組み合わせで最大効果を

MFTは単独でも効果がありますが、矯正治療と組み合わせることで、さらに大きな成果が期待できます。

Ⅰ期治療での活用

小児矯正のⅠ期治療(永久歯が生え揃う前の治療)では、歯列矯正用咬合誘導装置などの装置を使用しながら、MFTを並行して行うことが一般的です。装置によって物理的に歯並びを整えるだけでなく、MFTによって歯並びが悪くなる根本原因(舌癖、口呼吸など)を改善することで、治療後の安定性が大幅に向上します。実際、適切なMFTを行うことで、Ⅰ期治療だけで矯正が完了するケースも少なくありません。

Ⅱ期治療での後戻り防止

永久歯が生え揃った後のⅡ期治療(本格矯正)においても、MFTは重要な役割を果たします。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯並びを整えた後、保定装置を使用して後戻りを防ぎますが、舌や口周りの筋肉のバランスが整っていなければ、保定装置を外した後に再び歯並びが乱れる可能性があります。MFTによって正しい舌の位置と口唇閉鎖を習慣化することで、長期的な安定性を確保できます。矯正治療の費用は約40〜100万円と高額ですので、後戻りを防ぐためにもMFTの実践は非常に重要です。

治療期間の短縮効果

MFTを適切に行うことで、矯正治療の進行がスムーズになり、治療期間が短縮される可能性もあります。舌や口周りの筋肉が正しく機能することで、装置による歯の移動が効率的に進むためです。また、口腔内の環境が改善されることで、虫歯や歯周病のリスクも低減し、治療中のトラブルも減少します。

専門医療機関での取り組み事例

むらせ歯科茂原院では、小児矯正において口腔筋機能療法を積極的に取り入れています。

同院の小児矯正は、Ⅰ期治療とⅡ期治療の2段階で行われますが、歯並びの状態によってはⅠ期治療のみで完了することも可能です。Ⅰ期治療では、歯列矯正用咬合誘導装置を使用し、歯並びが悪くなる原因である口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)の機能不全を改善します。具体的には、口呼吸や舌癖などの問題を、オリジナル装置やトレーニングで解決することで、歯並びの改善を目指しています。

年齢によって治療アプローチが異なり、0〜2歳では姿勢の訓練、3〜5歳ではインファントというマウスピース型装置の使用、6〜9歳では歯列矯正用咬合誘導装置と舌・口・呼吸の訓練を組み合わせています。患者の身体的・経済的負担を軽減するため、可能な限りⅠ期治療で矯正を完了させることを目指しており、治療開始前にはお子さんと親御さんに十分な説明を行い、納得いただいた上で治療を進めています。

このように、専門的な知識と経験を持つ医療機関でMFTを受けることで、より確実な効果が期待できます。

まとめ:今日から始める舌トレーニング

口腔筋機能療法(MFT)は、子どもの歯並び改善だけでなく、呼吸、発音、咀嚼といった口腔機能全体の健全な発達を促す効果的な方法です。

舌の正しい位置を覚え、毎日少しずつトレーニングを続けることで、低位舌や口呼吸といった問題を改善し、将来的な不正咬合のリスクを減らすことができます。特に3歳から10歳頃の成長期は、MFTの効果が最も期待できる時期です。自宅でできる簡単なトレーニングから始めて、お子さんと一緒に楽しみながら取り組んでみましょう。

また、矯正治療を検討している場合は、MFTを組み合わせることで治療効果が高まり、後戻りのリスクも減少します。専門的な指導を受けながら、生活習慣全体を見直すことで、より確実な成果が得られます。

お子さんの歯並びや口腔機能に少しでも気になる点があれば、まずは専門の歯科医院に相談してみることをおすすめします。早期の対応が、お子さんの健康な未来につながります。

むらせ歯科茂原院では、小児矯正と口腔筋機能療法を組み合わせた治療を提供しています。お子さんの歯並びや口腔機能について、お気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧にカウンセリングを行い、お子さんに最適な治療プランをご提案いたします。

 

抜歯即時埋入インプラントとは?治療期間短縮のメリットと適応条件を徹底解説

2025年12月9日

抜歯即時埋入インプラントとは

歯を失うことは、誰にとっても大きな不安を伴います。

「抜歯即時埋入インプラント」とは、抜歯と同時にインプラント体(人工歯根)を埋め込む治療法のことです。従来のインプラント治療では、抜歯後に3〜6ヶ月程度の治癒期間を待ってからインプラントを埋入するのが一般的でしたが、この術式では抜歯とインプラント埋入を同日に行うことで、治療期間を大幅に短縮できます。

抜歯後の骨の治癒機転(組織が治ろうとする反応)を利用することで、インプラント体と顎の骨との強固な結合が促進されるという近年の研究データに基づく術式となっています。適応には一定の条件がありますが、条件を満たせば患者様の治療期間や身体的な負担を大きく軽減することが期待できる治療法です。

抜歯即時埋入インプラントのメリット

治療期間を大幅に短縮できる

最大のメリットは、治療期間の短縮です。

通常のインプラント治療では、抜歯後に骨の治癒を待つ期間として3〜4ヶ月程度が必要になります。しかし、抜歯即時埋入インプラントでは、この待機期間が不要になるため、従来法と比べて治療期間を数ヶ月程度短縮できる場合があります。インプラント体の埋入から仮歯の装着までをその日のうちにできるケースも多く、患者様の時間や労力を大きく節約できます。

手術回数が少なく身体的負担を軽減

抜歯即時埋入インプラントでは、抜歯窩(抜歯後の歯茎の穴)を利用するため、従来のように歯肉を切開する必要がありません。

通常は抜歯とインプラント埋入で合計2回の外科手術が必要ですが、この術式では1回で済みます。切開が最小限で外科手術回数も少ないため、身体へのダメージが抑えられ、術後の腫れや痛みを軽減できる治療法です。手術後の回復も早く、患者様の負担を大幅に減らすことができます。

骨吸収のリスクを低減できる

抜歯後の歯槽骨は、噛む刺激がなくなることで骨吸収が起こり、骨量が減少してしまう場合があります。

従来法ではインプラント体を埋入する前に骨を増やす処置(骨造成)が必要になるケースがありました。しかし、抜歯即時埋入インプラントは、抜歯直後の骨のボリュームが十分に保たれている状態で埋入を行うため、このような骨吸収のリスクを低減することが可能です。特に前歯部の場合、抜歯直後の歯槽骨と歯肉のボリュームが保たれることで、自然な歯ぐきのラインや歯の形を再現しやすくなります。

審美性の向上が期待できる

見た目に関して敏感な方にとって、抜歯直後からの即時対応が心理的な安心感にもつながります。

従来の治療法では、抜歯後に仮義歯や入れ歯で過ごす期間が生じるため、不自由さや審美的なストレスを感じることが少なくありません。抜歯即時埋入では、適切な条件下で仮歯(プロビジョナル)を早期に装着できる場合もあり、見た目と機能の回復が同時に叶う点は大きなメリットです。特に前歯部の治療においては、周囲の歯ぐきの形態や唇との調和を自然に保つため、抜歯直後の処置が理想的なタイミングとなるケースがあります。

抜歯即時埋入インプラントの適応条件

十分な骨量があること

抜歯即時埋入インプラントを行うには、骨量が充分であることが重要な条件です。

インプラントを支えるためには、一定量以上の骨が必要だからです。抜歯窩(歯を抜いた後の穴)周囲の骨の厚み・高さが十分にあることが条件となります。骨の状態が良くない場合には、抜歯後に骨造成など必要な治療をしてからインプラント手術を行うこととなります。CT検査によって骨の幅・高さ・密度を正確に診断し、適応可否を判断します。

感染や炎症がないこと

抜歯部位に重度の感染や炎症がある場合、抜歯即時埋入インプラントは適応できません。

重度の歯周病や根尖性膿瘍、肉芽種などを抱えている歯の場合、感染のリスクが高くなるため、通常の方法でのインプラント治療を検討することとなります。抜歯部位の状態が安定していることが前提となり、歯周病や感染のない清潔な口腔環境が必要です。細菌感染を防ぐために、抜歯によりできた穴を丁寧に消毒することも重要なステップとなります。

全身状態が良好であること

患者様の全身状態が良好であることも必要です。

糖尿病などの全身疾患がコントロールされていない場合は、感染のリスクが高くなるため、適応が難しくなります。また、骨粗鬆症傾向、自己免疫疾患、喫煙者、アルコール依存の方なども、成功率を下げる要因となる可能性があります。歯ぎしりや食いしばり癖のある方、噛み合わせが悪い場合も抜歯即時埋入インプラントを受けられない場合があります。インプラント埋入直後に過度な力がかかってしまうと、オッセオインテグレーション(インプラント体のチタンと顎の骨が結合すること)が得られない可能性があるためです。

抜歯後の穴のサイズが適合すること

抜歯によりできた穴とインプラントは、サイズが微妙に異なるため隙間ができます。

可能な限りサイズがあったインプラントを埋め込む必要があり、サイズが合わない場合は抜歯即時埋入インプラントができない可能性があります。人工骨などの骨補填材を入れて隙間を埋め、インプラントを固定する処置が必要になります。適応の可否は患者様個人では難しいものですので、精密検査と診断が必須となります。

抜歯即時埋入インプラントのデメリットと注意点

適応できないケースが多い

すべての症例に適応できる方法ではありません。

症例をきちんと選ばなければ、失敗につながってしまい結果的に治療期間が長くなってしまうこともあるため、その患者様それぞれに一番良い治療方法を選択することがとても大切になります。成功率は90%以上を報告している論文が多いですが、中には40%と報告している論文もあり、適応症をきちんと選択して行わなければ、通常のインプラント埋入と比べて失敗するリスクが高くなる可能性があることが示されています。

感染リスクがやや高い

抜歯とインプラント埋入を同時に行うことで、手術に関連するリスクが増加する可能性があります。

例えば、感染症や出血のリスクが増大する場合があります。厳格な管理が必要で、歯周病が進行していた部位や抜歯が必要になった部位などはインプラント埋入後に感染が起こりやすく、抜歯即時埋入のリスクを伴うため、通常は1〜2ヶ月待つことが推奨されます。適切な審査・診断およびメインテナンスが行なわれることが、成功の鍵となります。

高度な技術と経験が必要

抜歯とインプラント埋入を同時に行う手術は、通常の手術よりも複雑なプロセスです。

そのため、経験豊富な歯科医師や専門的な設備が必要となります。埋入ポジションと初期固定の確保が成否を分けるため、担当医の経験と技術レベルが結果を左右します。対応できる歯科クリニックが限られているため、抜歯即時埋入の経験豊富な医院を選ぶことが重要です。

追加の処置が必要になる場合がある

骨の量や硬さが十分でない場合、追加の処置が必要になることがあります。

インプラントを埋入するための骨の量が不足している場合には、骨を足す処置(骨造成、骨移植、GBR法など)を併用する必要があります。これにより、治療費用が高額になる傾向があります。インプラント治療は患者様のお口の状態によって治療内容が異なるため、費用も個別に異なります。

抜歯即時埋入インプラントの治療の流れ

術前の検査と診断

抜歯即時埋入インプラントができるかどうか判断するために、骨量や歯周病の有無など詳しく検査します。

最新の歯科用CTで施術部位の3D画像を撮影し、コンピューター上で解析します。骨の幅・高さ・密度を正確に診断し、骨の状態によって変わる埋入角度と深さの判断を行います。抜歯即時埋入インプラントは適用範囲が狭く、抜歯してもできない場合が多いので、慎重に判断します。シミュレーションによるリスク回避も重要なステップです。

抜歯とインプラント体の埋入

手術当日は、局所麻酔を行った後、歯を抜去します。

抜歯せざるを得なくなった歯を、可能な限り周囲の骨を残し、歯茎などの組織を傷つけないように丁寧に抜きます。細菌感染を防ぐために、抜歯によりできた穴を丁寧に消毒します。次に、抜歯によりあごの骨にできた穴に、可能な限りサイズがあったインプラントを埋め込みます。サイズが合わない場合は、抜歯即時埋入インプラントができない可能性があります。

骨の補填と縫合

インプラント体を埋入し、必要に応じて骨の補填を行います。

人工骨などの骨補填材を入れ隙間を埋めて、インプラントを固定します。状態が良好な場合は、インプラントを入れた後すぐに仮歯を入れます。その後、縫合し、手術は終了です。適切な条件下で仮歯(プロビジョナル)を早期に装着できる場合もあり、その日のうちに歯の機能を回復できる場合があります。

術後の経過観察と上部構造の装着

手術後は、定期的な経過観察を行います。

インプラントと骨が結合するまで3〜4ヶ月ほど待ってから、人工歯の土台と人工歯を取りつけ、治療終了です。オッセオインテグレーション(インプラント体のチタンと顎の骨が結合すること)が得られるまでの期間、埋入直後の負担を避けるための生活指導が重要になります。仮歯使用中のケアと定期チェックの重要性も忘れてはいけません。

抜歯即時埋入インプラントの費用相場

インプラント治療は保険適用外の自由診療となります。

患者様のお口の状態によって治療内容が異なるため、費用も個別に異なります。一般的な費用の内訳としては、診査診断・サージカルガイド製作費が5万円程度、骨造成関連が3万円以上、インプラントフィクスチャー埋入が10万円程度、アバットメント装着・プロビジョナルレストレーションが10万円、インプラント上部構造が10万円となり、総費用は35万円〜45万円程度が相場です。

抜歯即時埋入インプラントは、従来法と比べて手術回数が減る分、治療費が安くなる場合があります。ただし、骨造成などの追加処置が必要になる場合は、費用が高額になる傾向があります。費用の支払い方法については、分割払いに対応している医院も多いため、担当の歯科医師とよく相談することをお勧めします。

むらせ歯科茂原院の総合的な口腔ケア

インプラント治療を検討される際には、矯正治療や虫歯治療、歯周病治療にも対応している総合的な歯科医院を選ぶことが重要です。

むらせ歯科茂原院では、「見えにくい・目立ちにくい」透明なマウスピース型矯正装置を提供しており、取り外しが可能で口内の違和感が少ないという利点があります。患者と医院とのコミュニケーションアプリを導入し、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能があります。

矯正治療を始める前の初期処置(虫歯・歯周病・抜歯)や、矯正中の虫歯予防・歯周病予防が重要であるにもかかわらず、矯正専門の医院ではこれらに対応していないところが多いのが現状です。歯に取り付けるタイプの矯正装置は汚れが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、予防にも力を入れている医院を選ぶことが大切です。

さらに、不正咬合(悪い歯並び)の多くは顎関節にトラブルを持つ患者が多いことから、希望がある場合には矯正治療前にスプリント療法を行い、歯並びを整えるだけでなく顎関節症の改善も同時に行っています。これにより、顎関節症に由来する不定愁訴(頭痛・肩こりなど)、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状が改善されます。

美しい歯並びを実現するだけでなく、口腔内の健康維持や顎関節症の改善など、総合的な口腔ケアを提供する歯科医院で治療を受けることをお勧めします。

まとめ

抜歯即時埋入インプラントは、治療期間の短縮、身体的負担の軽減、骨吸収のリスク低減、審美性の向上など、多くのメリットがあります。

ただし、適応できないケースが多く、感染リスクがやや高い、高度な技術と経験が必要といったデメリットもあります。十分な骨量があること、感染や炎症がないこと、全身状態が良好であることなど、一定の条件を満たす必要があります。

インプラント治療を検討される際には、精密検査と診断を受け、担当の歯科医師とよく相談することが大切です。抜歯即時埋入の経験豊富な医院を選び、矯正治療や虫歯治療、歯周病治療にも対応している総合的な口腔ケアを提供する歯科医院で治療を受けることをお勧めします。納得して治療を受けるための情報収集を行い、適応かどうかを知ることが最善の選択につながります。

むらせ歯科茂原院では、透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置をはじめ、総合的な口腔ケアを提供しています。インプラント治療や矯正治療をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

なぜ小児矯正は後戻りしにくい?成長期治療の優位性と保定の秘訣

2025年12月9日

小児矯正が後戻りしにくい理由

お子さんの歯並びを整えたいと考える親御さんにとって、「せっかく矯正したのに元に戻ってしまうのでは?」という不安は大きいものです。

実は、小児矯正は成人矯正と比較して後戻りしにくいという大きな特徴があります。これは成長期ならではの生理学的なメリットによるものです。

成人矯正では、すでに固定され安定した永久歯の位置を力で動かすため、治療後に元の位置に戻ろうとする力が強く働きます。一方、小児矯正では顎の成長を利用しながら歯を適切な位置へ導くため、正しい位置で永久歯を安定させることができ、結果として後戻りの力が小さくなるのです。

さらに、小児期は顎の骨が柔らかく成長途中であるため、顎を広げる処置を行うことができます。

大人の場合、骨の成長が完了しているため十分に顎を広げることは困難です。しかし、小児の場合は成長途中で顎の骨も柔らかいため、これから生えてくる歯が綺麗に並ぶように顎を広げてスペースを作ることが可能なのです。

この「成長を味方につける」という点が、小児矯正の最大の優位性といえるでしょう。

歯周組織の適応力が高い成長期の特性

小児期は、歯を支える組織である歯槽骨や歯根膜、歯茎といった軟組織が未成熟かつ柔軟性に富んでいます。

この時期の歯周組織は、歯の移動に対して適応が早いという特徴があります。特に歯槽骨は骨の再構築能力(リモデリング)が高く、新しい位置に移動した歯を速やかに支持できるように変化するのです。

このため、歯の移動後にその位置を保持しやすく、長期的な安定が得られやすくなります。

逆に成人では、骨の再構築能力が年齢とともに低下しており、歯の移動後も安定するまでに時間を要し、後戻りのリスクが高くなります。また、歯肉の厚みやコラーゲン含有量が多く、炎症に対する耐性も高いため、矯正治療中の歯周トラブルが起こりにくい点も、後戻りの抑制に寄与しています。

骨格レベルでの改善が可能な時期

小児矯正の最大の強みは、顎の成長がまだ活発であるため、骨格自体に働きかけることが可能な点です。

たとえば、上顎の横幅が狭いお子さんには、拡大床や急速拡大装置を使用して上顎の成長を正しい方向へ促し、歯列弓の幅を確保することで将来的な叢生(歯の重なり)を予防できます。

また、上顎前突(いわゆる出っ歯)や下顎前突(反対咬合・受け口)など、骨格性の問題に関しても、成長のタイミングを見極めた矯正的介入により、比較的少ない力で骨の形態そのものを調整することが可能です。

これにより、無理な歯の移動を避け、自然な咬合関係を構築できるため、矯正後の後戻りを起こしにくくなります。

将来の治療負担を軽減できる可能性

成長に合わせた治療を行うことで、将来的に2期治療の必要性を減らしたり、治療期間や歯の移動距離を最小限に抑えられたりする場合もあります。

これは、成人矯正では得られない小児矯正ならではの大きな利点です。可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めることで、患者様の肉体的負担・経済的負担を抑えることができるのです。

後戻りを起こす主な原因と注意点

小児矯正は後戻りが少ないと言われていますが、絶対に後戻りしないというわけではありません。

適切なケアや対策を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう可能性があります。後戻りを起こす主な原因を理解しておくことが重要です。

成長に伴う骨格の変化

成人との最も大きな違いは、子どもは成長することです。

成長に伴って、歯並びや顎の形状が変化する可能性があります。子どもの成長は嬉しいものですが、治療が終了した後でも歯や顎の位置、骨格などが変わることがあり、成長による変化が後戻りの原因となることがあるのです。

特に思春期以降、急激な成長によって顎の位置がずれると、歯並びにも影響が出る場合があります。

口腔周囲筋の機能不全と悪習癖

指しゃぶりやおしゃぶり、歯を舌で押すなどの行為は、歯列にとって悪習慣とされています。

指や舌によって歯列が押され続けると、歯が移動することがあるのです。特に舌癖がある場合、舌圧が前歯を持続的に押し出してしまうため、出っ歯や開咬を引き起こします。

悪習癖がある場合は、歯列矯正を始める前、もしくは治療中に改善するのが理想でしょう。また、口呼吸や逆嚥下も歯並びが悪くなる原因となります。これらの習癖を早期に発見・介入することで、骨格と筋肉のバランスを整え、安定した口腔環境を作り出すことが可能です。

親知らずの影響

智歯(ちし)や第3大臼歯とも呼ばれる親知らずは、15歳頃に生えてきます。

日本人の顎は、食生活の変化で小さくなっているので、親知らずが横向きに生えるなどのトラブルも珍しくありません。親知らずが横向きに生えると歯列を後ろから押すので、歯列が乱れるのです。

親知らずが生える時期は個人差が大きく、そもそも生えてこない方もいるので必ず起きるトラブルとはいえません。

保定装置の使用不足

治療後に綺麗な歯列を見ると、安心すると同時に油断する方もいます。

矯正治療で歯を動かした後に保定装置を装着していなかったために歯が後戻りしてしまうケースが多いのです。どうしても動かした歯は元の位置に戻ろうとしてしまうので、動かした直後は、特に歯を固定して戻る力を抑える必要があります。

面倒ですが、この保定装置を装着しない期間があると歯が骨の中にしっかり固まらないので後戻りしてしまうでしょう。

後戻りを防ぐための保定治療の重要性

矯正治療が終了した後、きれいに並んだ歯並びを維持するための治療が保定治療です。

歯並びというのは、永久的なものではありません。歯は、加齢変化で徐々にでこぼこが出てくるものなのです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメンテナンスが必要になります。

リテーナーの装着時間を守る

リテーナーとは、整った歯並びを安定させるための保定装置です。

ご自身で取り外せるものや取り外せないものなど、いくつか種類があります。取り外せるリテーナーの場合、装着時間は1日に20時間程度と非常に長いです。また、リテーナーの装着期間も矯正期間と同じく数年必要でしょう。

基本的に1日20時間以上の装着が必要です。特に歯を動かして半年程度は最も歯が動きやすいので、食事や歯磨きのタイミング以外は常に装着しておかなくてはなりません。

しかし、慣れてきたり、歯の状態が安定してきたりすると徐々に装着時間を減らしていき、最終的には就寝時以外装着しなくても問題なくなります。

定期的なメンテナンスの受診

歯科検診やメンテナンスの頻度は3~6ヶ月に1回とされることが多いですが、受診を怠ることもあるでしょう。

自身では気がつくことのできない後戻りやトラブルを早期発見してもらうために、きちんと受診することは大切です。メンテナンスのための受診を確実に行っているかどうかによって、後戻りのリスクは大きく変動します。

長期間の治療になるため、虫歯や歯周病、矯正器具の破損などの予期しないようなトラブルが発生する可能性が高いです。トラブルが発生すると歯の後戻り防止にも影響が出るため、定期的に歯科医院に足を運び、検診をすることが重要です。

虫歯や歯周病の予防

歯や歯ぐきの健康が損なわれると、歯が動きやすくなります。

毎日の歯みがきと定期検診を欠かさず行いましょう。治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。

したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。

舌の癖や口呼吸の改善

「舌トレーニング」や「口の閉じる習慣」を身につけることで、歯列に余計な力がかかるのを防ぎます。

口呼吸していると舌は低位になり、上顎の成長を妨げ歯並び悪化の原因となります。また、病原菌が喉の粘膜から直接取りこまれてしまうため、健康のためにも良いことではありません。

普段何もしていない時に、舌が常に歯に触れている場合は舌癖に該当します。舌先は上の前歯のつけねの少し手前あたりに当たっている状態が正しい位置です。たとえ小さな力でも舌の力によって歯並びは崩れてしまいます。

むらせ歯科のI期治療とII期治療

むらせ歯科では、子供の矯正治療を2段階(I期治療とII期治療)で提供しています。

一般的に子供の矯正治療は2段階で行われます。前半の治療のことをI期治療といい、後半の治療のことをII期治療といいます。矯正治療は一定の期間と費用が掛かりますので、可能であればI期治療で終了した方が好ましいです。期間も短く済み、費用もそれほど掛かりませんので。

I期治療:原因から改善する歯列矯正用咬合誘導装置

I期治療では歯並びが悪くなる原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全に着目し、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用して改善します。

この装置は歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになる原因をオリジナル装置やトレーニングで改善する方法です。年齢に応じたアプローチがあり、0〜2歳では姿勢の訓練、3〜5歳ではインファントという取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10〜20分使用、6〜9歳ではマイオブレーストレーナーという装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。

家庭でのトレーニング継続が重要で、専任スタッフの指導とオリジナルアプリケーションによる支援があります。

ご自宅でも精度の高いトレーニングを実施してもらうため、ご自宅のパソコンや携帯で閲覧できるオリジナルアプリケーションをダウンロードし、アニメのキャラクターと一緒に楽しくトレーニングができる環境を整えています。

II期治療:歯並びの仕上げ

I期治療が終わり、顎(アゴ)の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。

その場合に、仕上げのII期治療を行います。I期治療後も必要に応じてII期治療を行い、歯並びの仕上げを行います。むらせ歯科では「歯並びを創造」することと同時に「患者様の肉体的負担・経済的負担を抑える」ことを重視し、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています。

どうしてもII期治療まで必要な場合は、しっかりとお子さんと親御さんにご説明させて頂き治療を進めていきます。

適切な治療開始時期の見極め

特にお子様の歯並びの場合、親御さんが「矯正した方がいいかな?」と思った時は、適切な治療開始時期を逃してしまっていることが多々あります。

そのため、大人の歯(前歯)が生えてきたら、治療するしないにかかわらず一度ご相談にお越しください。プロの目で診断することで、今後どのように歯が動いていくのかを予測できますので、治療が必要になるか否か、治療開始時期はいつ頃がいいかなどをお話しさせて頂きます。

まとめ:成長期治療の優位性を活かす

小児矯正は、成長する力を利用して顎のバランスから整えるため、大人の矯正よりも後戻りしにくいという大きな特徴があります。

顎の骨が柔らかく、歯の移動が自然に安定しやすい時期に治療を行うことで、永久歯が生えるスペースを確保し、成長とともに咬み合わせ全体を調整できるのです。歯周組織の適応力が高く、骨の再構築能力も優れているため、長期的な安定が得られやすくなります。

ただし、保定(リテーナー)を怠ったり、悪い癖が残ったままだと、せっかく整えた歯並びも元に戻ってしまうことがあります。

後戻りを防ぐためには、リテーナーを正しく使う、定期的に歯科検診を受ける、悪習慣を改善することが大切です。成長期のうちであれば、再矯正も比較的スムーズに行えますが、まずは後戻りを起こさないための適切なケアを継続することが重要でしょう。

お子さまの歯並びに不安を感じたら、ぜひ専門の歯科医院にご相談ください。成長期を活かした最適な治療で、美しい歯並びを長く保てるようサポートいたします。

 

子どもの歯並びと姿勢の関係とは?早期改善で防げる10の悪習慣

2025年12月9日

子どもの歯並びが気になる親御さんへ

お子さんの歯並びについて、心配されている親御さんは多いのではないでしょうか。

実は、歯並びの悪化は遺伝だけが原因ではありません。日常生活の中で無意識に行っている「姿勢」や「癖」が、お子さんの歯並びに大きな影響を与えているのです。特に3歳から9歳までの成長期は、顎の発育にとって極めて重要な時期であり、この時期の姿勢や習慣が将来の歯並びを左右します。

本記事では、歯科医療の専門的な視点から、子どもの歯並びと姿勢の関係性について詳しく解説します。また、早期に改善すべき10の悪習慣と、その具体的な対策方法もご紹介していきます。

なぜ姿勢が歯並びに影響するのか?

歯並びと姿勢の関係を理解するには、まず「口腔周囲筋」の役割を知る必要があります。

口腔周囲筋と歯並びのメカニズム

歯並びが悪くなる主な原因は「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全です。歯は、口唇・頬・舌の筋力のバランスによって生える位置が決まります。このバランスが適切に保たれていると、歯は本来並ぶべき位置に正しく生えてきます。

しかし、姿勢が悪いと口腔周囲筋のバランスが崩れてしまうのです。

例えば、猫背の状態が続くと下顎が前方に押し出され、噛み合わせに悪影響を及ぼします。また、背筋が左右どちらかに傾いた状態で食事をしていると、片側の歯ばかりで噛むため、よく使う側の顎が過度に発達し、顎のバランスが崩れてしまいます。

姿勢と呼吸の深い関係

姿勢の悪さは呼吸にも影響します。

背中が丸まっていると、首や顎の位置がずれて気道が狭くなり、鼻呼吸がしづらくなります。その結果、口呼吸が習慣化してしまうのです。口呼吸が続くと、舌の位置が下がって歯列に圧力がかかり、歯並びが悪くなることがあります。

さらに、口呼吸は口腔内の乾燥を招き、むし歯や歯周病のリスクも高めてしまいます。

早期改善で防げる10の悪習慣

ここからは、お子さんの歯並びを悪化させる具体的な悪習慣を10個ご紹介します。

1. 猫背

猫背でいると、下顎が前に突き出しやすくなります。

下顎が前に突き出した状態が続くと、歯並び・噛み合わせの乱れや顎の成長不全・成長異常をひき起こしやすくなります。また、下顎が前に突き出すと、お口がポカンと開きやすく、口呼吸になりやすいという悪循環も生まれます。

テレビを見ている時やゲームをしている時に背中が丸まっていないか、定期的にチェックしましょう。

2. 足がつかない椅子での食事

足がつかない椅子は踏ん張りが効かず、猫背になりやすいです。

しっかりと噛むためには、足を地面や足置き台にしっかりとつけることが重要です。足がブラブラしたままで食事をしていると、十分に噛むことができず、顎の発育が悪くなる可能性があります。顎が小さいために歯が並ぶスペースが不足すると、行き場をなくした歯が傾いて生えるなど、歯並びが悪化するリスクが高まります。

お子さんの成長は早いので、定期的に足置き台やステップの高さを調整することも大切です。

3. 添い寝して授乳・横向き寝・うつぶせ寝

赤ちゃんのときに添い寝して授乳したり、子どもの横向き寝・うつぶせ寝が習慣化すると、左右どちらか片方の顎の筋肉・骨格に偏った力がかかりやすいです。

顎の筋肉・骨格に偏った力がかかり続けると、歯並び・噛み合わせの乱れや顎の成長不全・成長異常をひき起こしやすくなります。寝ているときの姿勢も、親御さんが定期的にチェックし、できるだけ仰向けで寝る習慣をつけることが望ましいです。

4. 頬杖

頬杖は、左右どちらか片方の顎の筋肉・骨格に偏った力がかかりやすいです。

頬杖は、下顎を下から突き上げる力もかかります。頬杖により、顎の筋肉・骨格に対する偏った力と下顎を下から突き上げる力がかかり続けると、歯並び・噛み合わせの乱れや顎の成長不全・成長異常をひき起こしやすくなります。

お子さんが無意識に頬杖をついていたら、「お顔が歪んじゃうかもしれないよ」と優しく声かけし、姿勢を正す習慣づけを促しましょう。

5. 指しゃぶり・おしゃぶりの長期化

乳幼児期の指しゃぶりやおしゃぶりは自然な行動ですが、3〜4歳以降も続くと要注意です。

指や乳首を吸う力が前歯にかかり続けることで、前歯が噛み合わない「開咬」や、上の前歯が前方に出る「出っ歯」、顎のズレや顔の左右非対称などのリスクがあります。就学前までに自然にやめられると、改善が見込めることもあります。

6. 口呼吸・お口ポカン

「いつも口が開いている」「鼻ではなく口で呼吸している」という様子が見られる場合は、”お口ポカン”の状態かもしれません。

口呼吸が習慣化すると、唇や舌の筋力低下による前歯の傾斜、顎の成長バランスの乱れ、口腔内の乾燥によるむし歯や歯周病のリスク、鼻づまりや風邪の引きやすさにも影響します。お口ポカンが続くと、歯並びだけでなく全身の健康にも関わることがあるため、早めに鼻呼吸へ改善することが大切です。

7. 舌の癖(舌突出癖)

飲み込みや発音の際に舌で前歯を押す癖があると、歯列への影響が出ることがあります。

舌が常に前歯を押し出す力が働くことで、上下の前歯が共に前方へ傾き出てしまい(上下顎前突)、前歯の開咬も引き起こしやすくなります。また、舌癖は発音の不明瞭さや食べこぼしにもつながることがあります。

癖が強い場合には、口腔筋機能療法(MFT)のトレーニングによって、正しい舌の位置や飲み込み方を身につけることが可能です。

8. 爪噛み・鉛筆噛みなどの癖

緊張や集中時に爪を噛んだり、鉛筆やおもちゃを噛んだりする癖があるお子さんも多く見られます。

前歯が前方に押し出されて「出っ歯」になったり、前歯が噛み合わなくなったり、歯の欠けや歯ぐきの炎症リスクも高まります。こうした癖が続くと、歯に過剰な力が加わり、歯列不正の原因になることがあります。気づいた時点で、爪を短くする、苦味マニキュアを使ってやめさせるなどの工夫を取り入れてみてください。

9. 片側噛み

片方の歯だけで噛む癖があると、顔の左右の筋肉のバランスが崩れ、歯並びに影響を与えることがあります。

噛み合わせのバランスが崩れると、顎関節にも負担がかかります。食事の際には、両方の歯を均等に使うように意識することが大切です。姿勢と口の機能は連動していますので、普段から姿勢良くまっすぐ座ること、左右バランスよく噛むよう、声かけをしましょう。

10. やわらかいものばかり食べている

やわらかい食べ物ばかり食べると、顎の筋肉が十分に発達せず、歯並びに影響を与えることがあります。

噛む力が弱くなると、歯が正しい位置に移動しづらくなります。固めの食べ物を適度に取り入れることが、顎の発達にとって重要です。よく噛むことを意識するためにも、食事中はテレビを消しておくのが理想です。

年齢別の予防矯正アプローチ

お子さんの年齢によって、適切な予防矯正のアプローチは異なります。

0歳〜2歳:姿勢の訓練

歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうことがあります。

この時期は、親御さんと一緒にお子さんの正しい「姿勢」を獲得する訓練を行います。添い寝授乳や横向き寝を避け、できるだけ仰向けで寝る習慣をつけることが大切です。

3歳〜5歳:インファント装置の使用

インファントという取り外しできるマウスピース型の装置を1日2回10分〜20分利用することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。

この時期から口呼吸や指しゃぶりなどの悪習慣を改善することで、将来の本格的な矯正治療が必要になるリスクを大幅に減らすことができます。

6歳〜9歳:歯列矯正用咬合誘導装置と訓練

歯列矯正用咬合誘導装置という取り外し式の装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。

歯並びが悪くなる口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどを改善します。この時期の治療(Ⅰ期治療)で改善できれば、治療期間が短くなり、費用も少なくて済みます。むらせ歯科茂原院では、患者さんの身体的負担や経済的負担を軽くするため、なるべくⅠ期治療で矯正が終了するように治療を進めています。

家庭でできる姿勢改善のヒント

歯科医院での治療と並行して、家庭でも姿勢改善に取り組むことが重要です。

正しい座り方を習慣に

椅子に座るときは、背筋を伸ばし、足をしっかり床につけるように心がけましょう。

お子さんで床に足がつかない場合は、足をのせる台を用意すると正しい姿勢を促すことができます。座る姿勢を改善することで、日常生活での姿勢も自然と良くなります。テーブルの高さは、ひじが机の上に無理なくのせられる程度が目安です。

食事中の環境づくり

食事中にテレビをつけっぱなしにしていると、お子さんがテレビに気を取られ、背筋が傾いてしまうことがあります。

横を向いたまま食べ続ける、食事中にしょっちゅう後ろを振り返っている、といった場合、正面を向いて食べられるよう環境設定が必要です。よく噛むことを意識するためにも食事中はテレビを消しておくのが理想ですが、どうしても見せたい場合は、テレビの位置と座る場所を工夫しましょう。

ストレッチとエクササイズ

姿勢を改善するためには、定期的なストレッチやエクササイズが効果的です。

特に、背筋を伸ばすストレッチや、体幹を鍛えるエクササイズは、正しい姿勢を維持するのに役立ちます。お子さんと一緒に楽しみながら取り組むことで、習慣化しやすくなります。

むらせ歯科茂原院の小児矯正について

むらせ歯科茂原院では、子どもの矯正治療に特化したサービスを提供しています。

Ⅰ期治療とⅡ期治療の2段階アプローチ

子どもの矯正治療は「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分けて行います。

歯並びの状態によってはⅠ期治療で完了することが可能です。Ⅰ期治療だけで終わる場合、治療期間が短くなり、費用が少なくて済みます。とはいえ、口の状態によってはⅡ期治療が必要になるケースもあるので、その場合には、お子さんと親御さんにしっかりと治療の説明を行い、納得いただいてから治療を開始します。

治療の流れ

治療は以下の流れで進みます。

①矯正相談:歯並びの不安や疑問点などについてお伺いし、最適な矯正治療プラン、時期、金額などについて詳しくご説明します。②資料取り(検査):お口の状態や身体の状態などを詳しく把握するための検査を行います。③診断:資料の診断結果についてご説明させていただき、治療の流れや費用などについてご案内します。④治療開始:予防矯正または本格矯正を開始します。⑤メンテナンス・保定治療:きれいに並んだ歯並びを維持するための治療です。

費用について

矯正費は、歯並びの症状や治療内容によって異なります。

予防矯正は440,000円、本格矯正(唇側マルチブラケット矯正)は770,000円〜880,000円、マウスピース矯正(インビザライン)は880,000円〜1,100,000円となっています。資料取り・診断料は33,000円です。矯正治療は自費診療となります。

まとめ:早期発見・早期改善が鍵

子どもの歯並びは、遺伝だけでなく日常の姿勢や習慣に大きく影響されます。

特に3歳から9歳までの成長期は、顎の発育にとって極めて重要な時期です。猫背、足がつかない椅子での食事、頬杖、指しゃぶり、口呼吸、舌癖、爪噛み、片側噛み、やわらかいものばかり食べる習慣、横向き寝など、10の悪習慣を早期に改善することで、将来の歯並びを大きく改善できる可能性があります。

家庭での姿勢改善と並行して、専門的な予防矯正を受けることで、より効果的に歯並びの問題を予防・改善できます。

お子さんの歯並びが気になる方、姿勢や悪習慣が見られる方は、早めに歯科医院にご相談ください。むらせ歯科茂原院では、お子さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療プランをご提案し、健やかな成長をサポートいたします。まずはお気軽に矯正相談にお越しください。

 

乳歯が抜けない原因と対処法|小児矯正で防ぐ永久歯トラブルと歯並びへの影響

2025年12月9日

乳歯が抜けない…それは成長のサインかもしれません

お子さんの乳歯がグラグラし始めたのに、なかなか抜けない。

周りの友達はもう永久歯が生えているのに、うちの子だけまだ乳歯のまま…そんな不安を抱えていませんか?乳歯の生え変わりは、お子さんの成長を実感できる大切な瞬間ですが、同時に「このままで大丈夫なのか」という心配も生まれやすい時期です。

実は、乳歯が抜けない原因には様々な理由があります。永久歯の成長が遅れているケースもあれば、歯並びに影響を与える可能性のある問題が隠れていることもあります。特に近年では、食生活の変化や口腔周囲筋の機能不全によって、永久歯がスムーズに生えてこないお子さんが増えています。

この記事では、乳歯が抜けない主な原因と、それぞれの対処法について詳しく解説します。さらに、小児矯正によって永久歯のトラブルを未然に防ぐ方法や、歯並びへの影響についても専門的な視点からお伝えします。

乳歯が抜ける時期の目安と個人差について

乳歯から永久歯への生え変わりは、一般的に6歳前後から始まります。

最初に抜けるのは下の前歯(中切歯)で、その後7歳頃に上の前歯が生え変わり、8歳で上の側切歯、9歳で犬歯、10~12歳で第一小臼歯と第二小臼歯が生え、12~14歳で第二大臼歯が生えて永久歯の並びが完了します。この時期には、乳歯の奥に新しく「6歳臼歯」と呼ばれる第一大臼歯も生えてきます。

ただし、永久歯の生え変わりには大きな個人差があります。目安の時期よりも早くても遅くても、特に心配する必要はありません。兄弟姉妹でも時期や順番が異なることは珍しくなく、お子さんの成長リズムに合わせて進んでいくものです。

重要なのは、適齢期ではないのに歯がぐらついている場合です。虫歯や外傷などが原因の可能性があるため、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

乳歯が抜けない主な原因とそれぞれの特徴

乳歯がなかなか抜けない場合、いくつかの原因が考えられます。それぞれの特徴を理解することで、適切な対処法を選択できます。

永久歯の成長が遅れている場合

永久歯の生え替わりには個人差があり、成長がゆっくりなお子さんの場合、乳歯が抜けるのも遅くなることがあります。一般的に乳歯は6歳頃から抜け始めますが、永久歯の成長がゆっくりな場合は7歳、8歳、あるいはそれ以降になることも珍しくありません。周りの友達と比べて生え変わりが遅くても、焦る必要はありません。

埋伏歯(まいふくし)がある場合

埋伏歯とは、永久歯が顎の骨に埋まったまま、正しい位置に生えてこない状態です。

通常、永久歯は乳歯の根を溶かしながら生えてきますが、埋伏歯の場合はそれが起こらないため、乳歯が抜け落ちないことがあります。最もよく知られているのは親知らずですが、他の永久歯でも起こる可能性があります。歯並びに問題がなければそのままでも構いませんが、歯並びが乱れる場合は、歯ぐきを切開し歯を露出させる外科手術が必要になることがあります。

先天性欠如(せんてんせいけつじょ)の可能性

先天性欠如とは、生まれつき永久歯の一部がない状態のことです。永久歯は通常28本(親知らずを除く)ありますが、先天性欠如の人は、そのうち1本または数本が欠けています。これは決して珍しいことではなく、10人に1人の割合で見られます。

永久歯がない部分には、乳歯が残ったままになります。永久歯が生えてこないため、乳歯の根が溶けることがなく、抜け落ちないのです。先天性欠如の場合、残った乳歯をできるだけ長く健康な状態で保つことが大切です。

永久歯の位置がずれている場合

通常、永久歯は乳歯の真下に生えてきて、乳歯の根を溶かしながら押し出すことで生え替わります。しかし、永久歯の位置がずれていると、乳歯の根がうまく吸収されず、乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。レントゲン写真で確認し、必要があれば乳歯を抜歯します。

癒合歯(ゆごうし)がある場合

2本の歯が癒合して1本になっている状態を癒合歯といいます。

永久歯が生えてきても、片方の歯の根しか吸収されず、乳歯が抜けにくくなります。乳歯の交換時期になったら乳歯を抜歯し、永久歯が生えるスペースを確保します。

グラグラしているのに抜けない乳歯への対処法

乳歯がグラグラし始めると、「いつ抜けるのか」「どうやって抜くのか」が気になります。

基本的には、グラグラする乳歯が自然に抜けるのを待つのが一番です。お子さん自身が舌や指で軽く揺らすことで、抜け落ちるのを促すこともできます。その際、無理に引っ張ったりせず、あくまで自然に抜けるのをサポートするようにしましょう。

自宅で抜く場合の正しい方法

歯を揺らしても痛みがなく、ほとんどぶら下がっているような状態になったときには、清潔な指で摘まんで真っすぐ引っ張ると、乳歯が抜けます。抜けたあと出血が起こることがありますが、清潔なガーゼで圧迫して止血してください。出血は5分ほどで止まります。

歯科医院を受診すべきケース

以下の場合は自宅で抜こうとせず、歯科医院を受診してください。

  • 食事の際に痛みがあるなど日常生活に支障をきたす場合
  • 乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合
  • 乳歯が虫歯になっている場合
  • 乳歯がグラつき始めて2週間が過ぎたけれど抜けない場合
  • 歯をぶつけるなどして、グラつき始めた場合
  • 左右の歯で、グラつく時期に大きな差がある場合

歯科医院では、お子さんの年齢や歯の状態に合わせて、適切な方法で抜歯を行います。ケースによっては麻酔を使用し、抜歯時の痛みを抑えることも可能です。

乳歯が抜けないことで起こる永久歯への影響

乳歯が適切な時期に抜けないと、永久歯の生え方や歯並びに様々な影響を及ぼす可能性があります。

歯並びの乱れ(叢生)

永久歯が生えるスペースが十分になく、放っておくと乱ぐい歯になってしまいます。歯の間隔が狭く永久歯の生えるスペースが不足していると、永久歯が斜めに生えたり、重なって生えたりする原因となります。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

乳歯が残ったまま永久歯が生えてくると、永久歯が正しい位置に並ばず、前歯が出てしまう「出っ歯」の状態になることがあります。口が閉じにくくなり、口呼吸の原因にもなります。

埋伏歯の発生

乳歯が邪魔で永久歯がきれいに並ばない可能性があります。受診が遅れるほど、永久歯の生え方への影響が大きくなりますので、早めに歯科医院を受診することが重要です。

虫歯のリスク増加

歯と歯のすき間に歯ブラシが届きにくい部位が多いと、磨き残しが増えてしまいます。そうすると、むし歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。

小児矯正で防ぐ永久歯トラブルと歯並びへの影響

小児矯正は、永久歯が生えそろう前の成長期に行う矯正治療です。

この時期に適切な治療を行わないと、将来的に歯並びや噛み合わせに影響が出る場合があります。見た目の問題だけでなく、咀嚼(そしゃく)のしやすさ、発音、顎の発達などに関わることもあるため、早期のチェックが大切です。

Ⅰ期治療による根本的なアプローチ

歯並びが悪くなる原因は「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全です。

普段何もしていない時に、舌が常に歯に触れている状態を「舌癖」といいます。つまり、常に歯に対して一定の力が与えられている状態です。こんな小さな力でも歯並びは崩れてしまいます。その他、口呼吸や逆嚥下も歯並びが悪くなる原因となります。

Ⅰ期治療では「歯列矯正用咬合誘導装置」という方法で、歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう「原因」をオリジナル装置やトレーニングで改善していきます。

年齢に応じた治療アプローチ

はじめる年齢によって取り組みは異なります。

0歳~2歳では、歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうことがあります。親御さんと一緒にお子さんの正しい「姿勢」を獲得する訓練を行います。

3歳~5歳では、インファントという取り外しできるマウスピース型の装置を1日2回10分~20分利用することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。

6歳~9歳では、歯列矯正用咬合誘導装置という取り外し式の装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。歯並びが悪くなる口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどを改善します。

Ⅱ期治療が必要なケース

Ⅰ期治療が完了しても、歯並びが悪かったり、歯が回転して生えていたり、上下の歯がしっかりと噛み合っていなかったりする場合に、Ⅱ期治療を行います。

Ⅱ期治療では、金属のワイヤーやブラケットの装置を歯の表面に固定する方法、またはマウスピース型矯正装置を歯に装着して歯並びを整える治療法があります。

小児矯正のメリットとリスクについて

小児矯正には多くのメリットがありますが、同時にリスクも理解しておく必要があります。

小児矯正の主なメリット

  • 見た目が綺麗になる
  • 虫歯や歯周病になりにくくなる
  • 噛み合わせが整う
  • 自分に自信が持てる
  • 発音や滑舌の改善
  • 顎や顔の骨格の健全な成長
  • 将来の矯正の負担を減らせる可能性

知っておくべきリスクと副作用

矯正歯科装置を付けた後しばらりは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。

治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。

歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。また、矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。

治療費用について

矯正費は、歯並びの症状や治療内容によって異なります。一般的に約40~100万円くらいの費用が基本になります(矯正治療は自費診療です)。予防矯正の場合は440,000円、本格矯正の場合は770,000円~1,100,000円程度が目安となります。

乳歯の生え変わり時期に注意すべきこと

永久歯への生え変わりを順調に進めるために、日常生活で注意すべきポイントがあります。

指しゃぶりを早めにやめる

3歳を過ぎても指しゃぶりをしていたり、舌で歯を押すような癖があると、歯並びや顎の発達に影響することがあります。早めに改善することが大切です。

よく噛んで食べる習慣をつける

やわらかい咬み応えのない食事ばかりしていると、前歯を使わなくなり、これも歯列不正の原因になります。前歯でしっかり噛む訓練が重要です。

口呼吸を防ぎ、鼻呼吸を意識する

口で呼吸していると舌は低位になり、上顎の成長を妨げ歯並び悪化の原因となります。また、病原菌が喉の粘膜から直接取りこまれてしまうため、健康のためにも良いことではありません。

口の中を定期的に観察する

永久歯が生えてきても、乳歯が抜けなかったり、歯肉炎が起きたりしていることがよくあります。日頃から口の中をよく観察して、何か問題があったら歯科医院に相談しましょう。

まとめ|早期発見と適切な対処が健康な永久歯を守ります

乳歯が抜けない原因には、永久歯の成長の遅れ、埋伏歯、先天性欠如、永久歯の位置のずれ、癒合歯など、様々な理由があります。

多くの場合は自然に抜けるのを待つことで問題ありませんが、永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けない場合や、痛みがある場合、2週間以上グラグラしているのに抜けない場合は、早めに歯科医院を受診することが大切です。

小児矯正は、永久歯が生えそろう前の成長期に行うことで、歯並びが悪くなる根本的な原因を改善できる治療法です。口腔周囲筋の機能不全を改善し、口呼吸や舌癖などの悪習癖を正すことで、健全な永久歯列の育成を目指します。

お子さんの歯並びが気になる場合は、早めに専門医に相談し、成長段階に合ったケアを検討しましょう。Ⅰ期治療で改善できれば、治療期間が短くなり、費用も少なくて済む可能性があります。

むらせ歯科茂原院では、お子さんと親御さんに十分な説明を行い、納得いただいた上で治療を進めています。患者さんの身体的負担や経済的負担を軽くすることも大切にしており、なるべくⅠ期治療で矯正が終了するように治療を進めています。

お子さんの健やかな成長と、美しい歯並びのために、気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

 

噛み合わせ矯正の新常識〜全身バランスを整える治療法とは?

2025年12月9日

噛み合わせが全身に与える影響とは

噛み合わせの乱れは、単なる歯並びの問題ではありません。

実は、頭痛や肩こり、腰痛といった慢性的な不調の原因が「噛み合わせ」にあるケースが少なくないのです。歯と歯が接触する位置がわずかにずれているだけで、顎関節に過度な負担がかかり、それが全身の筋肉バランスを崩してしまいます。頭蓋骨と下あごは「咀嚼筋」という筋肉でのみ連結されているため、噛み合わせの異常は筋肉の緊張を引き起こし、やがて骨格や神経、さらには内臓にまで影響を及ぼすことがあるのです。

噛み合わせが乱れると、まず頭部が傾きます。重い頭部を支えるために、身体全体が無意識にバランスを取ろうとするのです。例えば、頭が右に傾けば左肩に力がかかり、それを補正しようと右腰で支え、さらに左足でバランスを取る……という連鎖が起こります。このように、噛み合わせの不具合は前後左右上下の3次元で身体全体に波及し、筋肉から骨格、神経、内臓へと影響が広がっていくのです。

噛み合わせの乱れが引き起こす具体的な症状

噛み合わせの異常は、さまざまな症状を引き起こします。

顎関節症は代表的な症状のひとつで、口を開けたときに「カクカク」「ゴリゴリ」といった異音がしたり、顎が痛んだり、口を大きく開けられなくなったりします。顎関節は耳に近い場所にあるため、耳の痛みや耳鳴りを引き起こすこともあるのです。さらに、顎の筋肉は首を通って肩の筋肉までつながっているため、肩こりや首の痛み、頭痛といった症状も現れやすくなります。

顎関節症と頭痛・肩こりの関係

顎関節症による頭痛は、朝起きたときに特に強く感じることが多いのが特徴です。これは、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりによって顎の筋肉が緊張するためと考えられています。側頭筋や咬筋といった咀嚼筋の緊張は、頭痛の直接的な原因となることが知られています。また、顎関節の問題は姿勢の変化を引き起こし、それが首や肩の筋肉の緊張につながるのです。

消化器官への負担

噛み合わせが悪いと、食べ物を細かく噛み砕くことができません。

その結果、大きいままの食べ物が胃に送られることになり、消化不良を起こしやすくなります。さらに、噛む回数が減ることで消化酵素を含む唾液の分泌も減少するため、消化器官への負担が大きくなるのです。よく噛むことは唾液の分泌を促し、消化を助ける重要な役割を果たしています。

姿勢の歪みと全身のバランス崩壊

噛み合わせのバランスが悪いと、無意識のうちに頭の位置を調整しようとして姿勢が崩れることがあります。これが長期間続くと、背骨の歪みや筋肉の緊張を引き起こし、慢性的な腰痛や肩こりの原因となることも。片側だけで噛む癖がある場合、よく噛む方のあごの筋肉が発達し、それに伴い骨格も変わります。顔の筋肉の発達のバランスが崩れると顔の左右差が生じ、顔のゆがみや顔つきが変わってくる可能性もあるのです。

口呼吸と免疫力低下の関係

歯並びが悪いと、鼻呼吸が難しくなり口呼吸になりやすくなります。

口呼吸は鼻呼吸と比べて、空気の浄化や加湿、温度調整などの機能が不十分です。鼻には空気中の細菌やウイルス、ホコリなどを捕らえる線毛や粘膜があり、これらが体内に侵入するのを防いでいます。しかし口呼吸ではこの防御機能がバイパスされるため、感染症にかかるリスクが高まるのです。また、口呼吸は口腔内を乾燥させ、唾液の抗菌作用が低下することで口腔内の細菌が増殖しやすくなります。これが歯周病のリスクを高め、さらに全身の免疫力にも影響を及ぼす可能性があるのです。

さらに、口呼吸は睡眠時無呼吸症候群のリスクを高め、睡眠の質を悪化させることも知られています。質の良い睡眠が取れないと、日中の集中力低下やイライラ、慢性的な疲労感につながります。

噛み合わせ矯正の新しいアプローチ

従来の矯正治療は、歯並びを綺麗にすることに重点が置かれていました。

しかし、近年では「噛み合わせ」と「全身のバランス」を同時に整える治療法が注目されています。単に歯を削って調整するだけでなく、顎の動き、筋肉の緊張、頭の位置までを包括的に見直す全身バランス重視の治療法です。この考え方は「シン・中心位」と呼ばれ、顎関節・筋肉・歯列が最も安定した位置関係を基準とした診断・治療を行います。

マウスピース矯正の進化

透明なマウスピース型矯正装置は、目立ちにくく取り外しが可能という利点があります。

装置の取り外しができるため、口内の違和感が少なく、通常通りの食事ができ、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えます。最近では、患者と医院とのコミュニケーションアプリを導入している医院も増えており、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能が付与されています。ただし、装置の装着時間を守らないと治療期間が延びる可能性があり、歯の移動量が大きい場合(抜歯が必要な場合)はマウスピース矯正だけでは難しく、表側矯正や裏側矯正と併用することがあります。

顎関節症に配慮した治療

不正咬合の多くは顎関節にトラブルを持つ方が多いため、矯正治療に入る前にスプリント療法を行うケースが増えています。スプリント療法とは、専用のマウスピースを装着することで顎や筋肉の緊張を緩和する治療法です。これにより、歯並びを綺麗に整えるだけではなく、顎関節症の改善も同時に行っていきます。顎関節症に由来する不定愁訴(頭痛・肩こりなど)、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状が改善されることが期待できます。

総合的な口腔ケアの重要性

矯正治療を成功させるには、虫歯や歯周病の予防も欠かせません。

矯正治療を始める前の初期処置(虫歯・歯周病・抜歯)や、矯正中の虫歯予防・歯周病予防が重要であるにもかかわらず、矯正専門の医院ではこれらに対応していないところが多いのです。特に、歯に取り付けるタイプの矯正装置は汚れが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びを綺麗にしても、虫歯や歯周病で歯を失っては元も子もありません。矯正を始めるときは、「歯を綺麗にする」だけではなく、「虫歯や歯周病予防にも力を入れているのか」も、医院選びの判断基準の1つとして参考にしてください。

噛み合わせと歯周病の関係

歯周病の大きな原因の一つに「噛み合わせ異常」があります。

噛み合わせ治療を行っている方が、噛み合わせの状態が改善され、全身症状も改善し、さらに歯周病も改善するというケースが多く見られます。定期的に治療やクリーニングをしていても改善しない歯周病がある場合は、一度「噛み合わせ異常」を疑ってみてください。噛み合わせの悪さによる歯周組織への負担過重や血行循環障害などから、歯周ポケットが発生します。噛み合わせ異常が原因で発症した歯周病は、クリーニングと並行し、噛み合わせの治療を行う必要があるのです。

まとめ〜全身の健康は噛み合わせから

噛み合わせの乱れは、単なる歯並びの問題ではありません。

頭痛、肩こり、腰痛、消化不良、姿勢の歪み、免疫力の低下など、全身にさまざまな影響を及ぼします。原因不明の体調不良で悩んでいる方は、もしかすると噛み合わせが原因かもしれません。近年では、透明なマウスピース型矯正装置や顎関節症に配慮したスプリント療法など、全身バランスを整える新しい治療法が登場しています。矯正治療を検討する際は、歯並びを綺麗にするだけでなく、虫歯・歯周病予防にも力を入れている医院を選ぶことが重要です。噛み合わせを整えることで、美しい歯並びと全身の健康を同時に手に入れましょう。

むらせ歯科茂原院では、透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置を提供し、患者と医院とのコミュニケーションアプリを導入しています。矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応し、顎関節症に配慮したスプリント療法も実施しています。総合的な口腔ケアで、あなたの笑顔と健康をサポートします。

 

大人の部分矯正で前歯だけ整える!費用・期間・メリットを徹底解説

2025年11月26日

前歯の歯並びが気になる方へ・・・部分矯正という選択肢

「笑うときに前歯が気になる」「写真を撮るときに口元を隠してしまう」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

歯並びを整えたいと思っても、全体的な矯正治療は費用も期間もかかるイメージがあって、なかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。実は、前歯だけの歯並びが気になる場合、「部分矯正」という選択肢があります。部分矯正は、気になる部分だけを集中的に治療する方法で、全体矯正と比べて費用を抑えられ、治療期間も短縮できる可能性があります。

ただし、部分矯正にはメリットだけでなく、知っておくべき注意点やデメリットも存在します。この記事では、大人の部分矯正について、費用や期間、メリット・デメリット、適応できる症例などを詳しく解説していきます。

部分矯正とは?全体矯正との違いを理解する

部分矯正は、歯列の一部分だけに焦点を当てて行う矯正治療です。

主に前歯の歯並びを整えることを目的としており、「プチ矯正」とも呼ばれています。一般的には、上下の前歯6本程度を対象とした治療となり、犬歯から犬歯までの範囲が適応範囲となります。全体矯正が奥歯を含む歯列全体を動かして噛み合わせの改善や大幅な歯列矯正を行うのに対し、部分矯正は見た目の改善に特化した治療方法です。

全体矯正では、すべての歯に矯正装置を装着し、歯列全体を動かすため、治療期間は通常1年から3年ほどかかります。費用も70万円から150万円ほどと高額になる傾向があります。一方、部分矯正は動かす歯の数が限られているため、装置を付ける箇所も一部に限定され、治療期間は最短3ヶ月から1年半程度、費用は30万円から60万円ほどに抑えられることが多いです。

部分矯正が適している症例

部分矯正は、すべての歯並びの問題に対応できるわけではありません。適応できるのは、比較的軽度な歯並びの乱れに限られます。具体的には、軽度の出っ歯、軽度の乱杭歯や叢生、前歯の隙間(すきっ歯)、前歯の軽度のねじれやガタつき、矯正治療後のわずかな後戻りなどが対象となります。

奥歯の噛み合わせが安定していることが大前提となり、重度のガタつきや出っ歯、骨格的な問題、深い噛み合わせなどは、部分矯正では根本的に解決できません。また、抜歯が必要な場合や、噛み合わせ異常が骨格に起因する場合も、部分矯正の適応外となります。

部分矯正ができないケース

歯を並べるスペースが顕著に不足している場合、噛み合わせに大きな問題がある場合、歯の移動量が大きい場合などは、部分矯正では対応できません。

こうした場合には、全体矯正や外科矯正が必要となることがあります。部分矯正はあくまで「部分的な改善」を目的としているため、口元の突出感が変わらなかったり、歯の正中(中心線)がずれたままだったりと、患者様が思い描いていた「完璧な歯並び」にはならない可能性があることを理解しておく必要があります。

部分矯正の費用相場・・・治療方法別に詳しく解説

部分矯正の費用は、選択する矯正装置の種類によって大きく異なります。

一般的な費用相場は30万円から60万円程度ですが、装置の素材や治療範囲、歯科医院によって幅があります。ここでは、主な矯正方法ごとの費用相場を詳しく見ていきましょう。

表側矯正(ワイヤー矯正)の費用

表側矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる矯正装置を取り付け、ワイヤーでつなぎ、歯を引っ張って調整する方法です。部分矯正の場合、費用相場は30万円から60万円程度となります。金属製のブラケット(メタルブラケット)を使用した場合が最も安く、プラスチックやジルコニア、セラミックなどの目立ちにくい素材を使用した場合は費用が上がる傾向があります。

ハイブリッドブラケットやプラスチックブラケットは35万円から80万円程度、ジルコニアブラケットやセラミックブラケットは65万円から100万円程度が目安となります。また、白く目立ちにくいホワイトワイヤーを使用する場合は、プラス10万円程度の追加費用がかかることがあります。

裏側矯正(舌側矯正)の費用

裏側矯正は、歯の裏側(舌側)にブラケットを装着する方法で、周囲から気付かれにくいという大きなメリットがあります。部分矯正の場合、費用相場は40万円から70万円程度となり、表側矯正よりも高額になる傾向があります。歯の裏面は複雑な形状をしているため、ブラケットを一つひとつオーダーメイドで製作する必要があり、技術料が加算されるためです。

上下顎ともに裏側矯正を行うフルリンガルの場合、全体矯正では100万円から170万円程度かかることもあります。上顎は裏側矯正、下顎は表側矯正を行うハーフリンガル矯正の場合は、部分矯正で35万円から65万円程度、全体矯正で80万円から150万円程度が目安となります。

マウスピース矯正の費用

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす方法で、目立ちにくく取り外しが可能という特徴があります。

部分矯正の場合、費用相場は10万円から50万円程度と幅があります。世界的にシェアされているインビザラインなどのマウスピース型矯正装置を使用する場合、全体矯正では70万円から120万円程度かかることがあります。マウスピース矯正は、装置の装着時間を守らないと治療期間が延びる可能性があり、歯の移動量が大きい場合(抜歯が必要な場合)は、マウスピース矯正だけでは難しく、表側矯正や裏側矯正と併用することがあります。

部分矯正の治療期間・・・どのくらいで完了する?

部分矯正の治療期間は、症状の程度や使用する矯正装置によって異なります。

一般的には、最短3ヶ月から1年半程度で治療が完了することが多いです。全体矯正が1年から3年ほどかかるのに対し、部分矯正は動かす歯の数が限られているため、期間が短くて済むのが大きなメリットです。

矯正装置別の治療期間

表側矯正(ワイヤー矯正)の場合、治療期間の目安は約6ヶ月から1年程度です。裏側矯正(ワイヤー矯正)の場合は、約6ヶ月から1年半程度かかることがあります。裏側矯正は表側矯正よりも装置の調整が難しいため、やや治療期間が長くなる傾向があります。マウスピース矯正の場合は、約6ヶ月から1年半程度が目安となります。

ただし、歯列不正の程度が強い場合や、噛み合わせの状態によっては、これらの期間よりも長くかかることがあります。また、治療期間中は、通常1ヶ月に1回程度の通院が必要となります。

治療期間に影響する要因

治療期間は、歯を動かす距離や移動量、歯の移動に対する反応の個人差、装置の装着時間(マウスピース矯正の場合)などによって変わってきます。

マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間を守らないと治療期間が延びてしまう可能性があります。また、矯正治療を始める前に虫歯や歯周病がある場合は、先にそちらの治療を行う必要があるため、全体の治療期間が長くなることがあります。

部分矯正のメリット・・・なぜ選ばれるのか

部分矯正が多くの方に選ばれる理由は、全体矯正と比べて患者様の負担が少ない点にあります。

ここでは、部分矯正の主なメリットを詳しく見ていきましょう。

費用を抑えられる

部分矯正の最大のメリットは、費用を抑えられることです。動かす歯の数が少ないため、装置の費用や調整料が抑えられ、全体矯正の約3分の1から半分程度の費用で済むことが一般的です。全体矯正が70万円から150万円程度かかるのに対し、部分矯正は30万円から60万円程度で治療を受けられることが多いです。

経済的な負担が軽減されることで、矯正治療を始めやすくなり、前歯の歯並びだけでも改善したいという希望を叶えやすくなります。

治療期間が短い

部分矯正は、歯を動かす範囲が限られているため、治療期間が短いのも大きなメリットです。

最短3ヶ月から1年程度で治療が完了するケースが多く、結婚式や就職など、目標の期日がある方には特に適しています。全体矯正が1年から3年ほどかかるのに対し、部分矯正は半分以下の期間で済むことが多いため、早く結果を得たい方にとって魅力的な選択肢となります。

心身への負担が少ない

動かす歯が少ないため、痛みや不快感が比較的少なく、抜歯の可能性も低いのが特徴です。また、装置が付く範囲が狭いため、食事や歯磨きへの影響も最小限に抑えられます。全体矯正では、すべての歯に装置を装着するため、食事の制限や歯のお手入れが大変ですが、部分矯正は一部分のみの装置装着なので、全体矯正よりは負担が小さくなります。

装置の選択肢が豊富

部分矯正では、ライフスタイルに合わせて目立たない装置を選べます。透明で目立たず、取り外しも可能なマウスピース矯正は最も人気の選択肢です。また、費用を抑えたい場合は表側ワイヤー矯正を選び、白い装置で目立ちにくくすることも可能です。周囲に気付かれたくない方は、裏側矯正を選択することもできます。

自信につながる

前歯の歯並びが改善されることで、笑顔に自信が持てるようになります。

全体矯正であっても部分矯正であっても、歯並びをきれいにすることはコンプレックスを解消でき、自信を持つことにつながるでしょう。人前で笑うことに抵抗がなくなり、写真を撮るときにも口元を隠さなくて済むようになります。

部分矯正のデメリット・・・知っておくべき注意点

部分矯正には多くのメリットがある一方で、知っておくべきデメリットや注意点も存在します。

治療を始める前に、これらの点をしっかり理解しておくことが重要です。

適用できる症例が限られる

部分矯正の最大のデメリットは、適用できる症例が非常に限られることです。奥歯の噛み合わせが安定していることが大前提となり、重度のガタつきや出っ歯、骨格的な問題、深い噛み合わせなどは、部分矯正では根本的に解決できません。部分矯正が可能かどうかは、歯並びの状態や噛み合わせによって異なるため、まずは専門の歯科医師による診断を受けることが大切です。

噛み合わせの改善はできない

部分矯正は前歯の見た目を整えることを主な目的としているため、奥歯のかみ合わせや歯並びは改善できません。

前歯の見た目は良くなっても、噛み合わせはそのままか、場合によっては今まで以上に咬みにくくなったり、発音が悪くなったりする可能性があります。噛み合わせの改善を希望する場合は、全体矯正を検討する必要があります。

無理な治療で噛み合わせが悪化するリスク

見た目だけを優先して無理に前歯を並べると、奥歯とのバランスが崩れ、特定の歯に過度な負担がかかったり、顎関節症を引き起こしたりすることがあります。歯を並べるスペースが不足しているのに無理に歯を動かすと、歯の根が骨から飛び出してしまい、歯茎が大きく下がったり、歯がグラグラしたりする危険性もあります。最悪の場合、歯を失うことにもつながりかねません。

後戻りしやすい

不安定な土台の上で前歯だけを動かすため、治療後に歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」のリスクが全体矯正よりも高い傾向にあります。

保定装置(リテーナー)の使用がより重要になり、治療後も定期的なメンテナンスが必要となります。

理想の仕上がりにならないことも

部分矯正はあくまで「部分的な改善」です。口元の突出感が変わらなかったり、歯の正中(中心線)がずれたままだったりと、患者様が思い描いていた「完璧な歯並び」にはならない可能性があります。治療前のカウンセリングで、どこまで改善できるのかをしっかり確認しておくことが大切です。

むらせ歯科茂原院の矯正治療・・・総合的な口腔ケアを提供

むらせ歯科茂原院では、「見えにくい・目立ちにくい」装置を特徴とした矯正治療を提供しています。

特に、透明なマウスピース型矯正装置を採用しており、目立ちにくく、取り外しが可能で口内の違和感が少ないという利点があります。患者様は通常通りの食事ができ、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えます。

患者様とのコミュニケーションを重視

当院のマウスピース矯正の特徴として、患者様と医院間のコミュニケーションアプリを導入しています。このアプリでは、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能があります。また、医院の作業効率化も図れるため、患者様へのサービス精度向上にも貢献しています。

虫歯・歯周病予防にも対応

むらせ歯科茂原院は、矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応しています。

矯正治療を始める前の初期処置(虫歯・歯周病・抜歯)や、矯正中の虫歯予防・歯周病予防が重要であるにもかかわらず、矯正専門の医院ではこれらに対応していないところが多いのが現状です。特に、歯に取り付けるタイプの矯正装置は汚れが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、予防にも力を入れている医院を選ぶことが重要です。

顎関節症の改善も同時に実施

不正咬合(悪い歯並び)の多くは顎関節にトラブルを持つ方が多いことから、希望がある場合には矯正治療前にスプリント療法(別途費用11万円(税込))を行い、歯並びを整えるだけでなく顎関節症の改善も同時に行っています。この治療により、顎関節症に由来する不定愁訴(頭痛・肩こりなど)、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状が改善されるとしています。

むらせ歯科茂原院の矯正治療は、美しい歯並びを実現するだけでなく、口腔内の健康維持や顎関節症の改善など、総合的な口腔ケアを提供する点に特徴があります。

まとめ・・・部分矯正で自信の持てる笑顔を手に入れる

大人の部分矯正は、前歯の歯並びを改善したい方にとって、費用と期間を抑えられる魅力的な選択肢です。

費用相場は30万円から60万円程度、治療期間は最短3ヶ月から1年半程度と、全体矯正と比べて負担が少ないのが特徴です。透明なマウスピース矯正や目立ちにくいワイヤー矯正など、ライフスタイルに合わせた装置を選ぶことができます。

ただし、部分矯正は適用できる症例が限られており、重度の歯並びの乱れや噛み合わせの問題には対応できません。また、噛み合わせの改善はできないため、見た目の改善のみを目的とした治療となります。無理な治療は歯茎下がりや噛み合わせの悪化を招く可能性があるため、信頼できる歯科医師による診断が重要です。

むらせ歯科茂原院のように、矯正治療だけでなく虫歯・歯周病予防や顎関節症の改善にも対応している医院を選ぶことで、総合的な口腔ケアを受けることができます。前歯の歯並びが気になる方は、まず専門の歯科医師に相談し、自分に合った治療方法を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。美しい歯並びと自信の持てる笑顔を手に入れることで、毎日がより充実したものになるはずです。

 

指しゃぶりが歯並びに与える影響とは?年齢別の対処法と小児矯正の重要性

2025年11月18日

指しゃぶりと歯並びの関係を理解する

お子さんが指しゃぶりをしている姿を見て、「このまま続けて大丈夫かしら」と不安を感じたことはありませんか?

指しゃぶりは赤ちゃんの成長過程において自然な行動ですが、長期間続くと歯並びや噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。実は、指しゃぶりによる歯並びへの影響は、年齢やしゃぶる時間の長さによって大きく変わってくるのです。乳幼児期の指しゃぶりは口の感覚を育て、精神的な安定をもたらす重要な役割を果たしていますが、3歳以降も継続すると「上顎前突(出っ歯)」や「開咬(前歯が噛み合わない状態)」などの不正咬合を引き起こすリスクが高まります。

この記事では、指しゃぶりが歯並びに与える具体的な影響から、年齢別の適切な対処法、そして小児矯正の重要性まで、東京歯科大学大学院を修了した専門家の視点から詳しく解説します。お子さんの健やかな成長と美しい歯並びのために、今できることを一緒に考えていきましょう。

指しゃぶりはいつまで大丈夫?年齢別の影響

生後4ヶ月まで…自然な反射行動として

生後4ヶ月頃までの指しゃぶりは、赤ちゃんの無意識な反射行動です。

この時期の指しゃぶりは成長過程において極めて自然な行動であり、特に心配する必要はありません。赤ちゃんは口を通して周囲の世界を認識し、手指の操作性や視覚、口の中の感覚を発達させているのです。むしろ、この時期の指しゃぶりは発達を促す重要な行動だと考えられています。

1歳〜2歳…形や味を学習する時期

1歳頃になると、物を使って遊ぶようになり、徐々に指しゃぶりへの意識が薄れていきます。この時期の指しゃぶりは、形や味などを学習する行動として位置づけられており、歯並びへの影響はまだ少ないとされています。

ただし、退屈している時や不安を感じている時に指しゃぶりをする傾向があるため、生活環境を整えることが大切です。子どもと遊ぶ時間を増やしたり、積み木やブロック遊びなど指を使った遊びを取り入れることで、自然と指しゃぶりの時間を減らすことができます。

3歳以降…歯並びへの影響が本格化

3歳を過ぎても指しゃぶりが続くと、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性が高まります。

指を吸う力によって上の前歯に強い圧力がかかり、上下の顎の噛み合わせがずれて「上顎前突(出っ歯)」や「開咬」になったり、上顎の歯列が狭まる「歯列狭窄」が生じることがあります。特に、寝ている間ずっと指しゃぶりをしているなど、一日の中で長時間続けてしまっている場合は注意が必要です。奥歯が全部生えそろった3歳近くになると、指しゃぶりの影響で前歯が前に傾斜し始め、歯並びが徐々に変化していきます。

指しゃぶりが引き起こす具体的な歯並びの問題

上顎前突(出っ歯)の発生メカニズム

指しゃぶりによる最も代表的な影響が「上顎前突」、いわゆる出っ歯です。指を上の歯の裏側にある「口蓋」という部分に押し付けることで、上の前歯が前方に押し出されていきます。

5歳から6歳の永久歯への生え変わり時期にまだ指しゃぶりを続けていると、この傾向はさらに顕著になります。上顎前突は見た目の問題だけでなく、前歯で食べ物がかみづらくなったり、発音が不明瞭になるなど、機能面でも支障をきたす可能性があります。

開咬…前歯が噛み合わない状態

開咬とは、奥歯を噛み合わせた時に上下の前歯にすき間ができてしまう状態です。

指しゃぶりを長期間続けることで、指が入るスペースが常に確保されるため、前歯が正常に噛み合わなくなってしまいます。この状態になると、前歯でかむことができないため奥歯の負担が大きくなり、発音もはっきりしなくなります。さらに、上唇がまくれ上がって「お口ポカン」の状態になり、口呼吸を誘発してしまうのです。口呼吸は病原菌が喉の粘膜から直接取り込まれるため、健康面でも好ましくありません。

歯列狭窄と交叉咬合

指を吸う時に頬の筋肉が収縮するため、上あごの歯並びのアーチが狭くなる「歯列狭窄」が生じることがあります。歯列が狭いV字型になると、将来的に永久歯が生えるスペースが不足し、歯が重なり合って生える「叢生」や八重歯の原因となります。

また、片方の噛み合わせだけが反対になる「交叉咬合」が生じることもあり、これにより顎の発達が左右均等にいかなくなる可能性があります。顎が曲がってしまうと、顔貌にも影響を及ぼすため、早めの対処が重要です。

年齢別の指しゃぶり対処法

0歳〜2歳…温かく見守る時期

この時期の指しゃぶりは成長に必要な行為です。無理にやめさせる必要はありません。

ただし、授乳時間が不足していることが原因で指しゃぶりが長時間続く場合もあるため、授乳の時間やミルクの量を見直してみるのも一つの方法です。身近なおもちゃは舐めても安全なもので、清潔に保つことを心がけましょう。子どもの成長過程として、温かく見守ってあげることが大切です。

3歳〜5歳…楽しく改善していく時期

3歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりが続く場合は、段階的にやめられるようサポートしていきます。

無理やり叱ってやめさせようとすると、逆に指しゃぶりの頻度が増えたり、爪噛みなど他の代償行為に走ることがあるため注意が必要です。この時期のお子さんは、まだ指しゃぶりを悪いことだとは思っていないので、きつく叱ると隠れてするようになることもあります。外に遊びに行く機会を増やしたり、手を使った遊びを教えることで、自然と指しゃぶりから意識を逸らすことができます。

具体的な対策としては、指しゃぶりをしている時に声をかけて意識を別のところに向けさせたり、お気に入りのキャラクターの絆創膏を指に貼って口に入れるのを防ぐ方法があります。また、爪に塗る専用の苦いマニキュアを活用したり、指しゃぶりをやめさせる絵本を読み聞かせるのも効果的です。就寝時の指しゃぶりには、お子さんが眠るまで手を握っていてあげるのも良いでしょう。

6歳以降…専門家への相談を検討

6歳を過ぎても指しゃぶりが続いている場合は、小児歯科専門医への相談をおすすめします。

この時期は永久歯への生え変わりが始まる重要な時期であり、指しゃぶりの影響が永久歯の歯並びにも及ぶ可能性があります。家庭での対策だけでなかなか改善しない場合、専門家による指導や、上の歯の裏側に専用の器具を入れて指が入らないようにする方法など、さまざまな治療法があります。お子さんの癖や口の中の状態に合わせた適切なアプローチを受けることができます。

小児矯正の重要性と治療の考え方

なぜ小児期の矯正が重要なのか

子どもの矯正治療は、大人の矯正とは目的が大きく異なります。

小児期は顎の成長をコントロールできる貴重な時期であり、骨格的な問題にアプローチすることが可能です。永久歯が生えるスペースを確保したり、正しい噛み合わせや舌の使い方を育てることで、将来的な矯正治療の負担を大幅に軽減できます。特に、指しゃぶりなどの癖によって生じた歯並びの問題は、早期に対処することで改善しやすくなります。

Ⅰ期治療…原因から改善する予防矯正

小児矯正は「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階に分けられます。Ⅰ期治療は、歯並びが悪くなる根本的な原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全を改善する治療です。

普段何もしていない時に舌が常に歯に触れている「舌癖」や、口呼吸、逆嚥下などが歯並びを悪化させる主な原因となります。これらを「歯列矯正用咬合誘導装置」という方法で改善していきます。歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう原因をオリジナル装置やトレーニングで改善していく治療法です。

年齢によって取り組み内容は異なります。0歳から2歳では座り方や姿勢、抱っこの仕方など、正しい姿勢を獲得する訓練を親御さんと一緒に行います。3歳から5歳では「インファント」という取り外しできるマウスピース型の装置を1日2回10分から20分利用することで、顎の成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。6歳から9歳では歯列矯正用咬合誘導装置という取り外し式の装置と、舌・口・呼吸の訓練を行います。

Ⅱ期治療…本格的な歯列矯正

Ⅰ期治療が完了しても、歯並びが悪かったり、歯が回転して生えていたり、上下の歯がしっかりと噛み合っていない場合に、Ⅱ期治療を行います。

成人の方や永久歯に生え変わったお子さんが対象となり、すべての歯に矯正装置を装着して理想的な歯並びと噛み合わせを目指す治療です。金属のワイヤーやブラケットを使用する「唇側マルチブラケット矯正」と、透明なマウスピース型の矯正装置を定期的に取り換える「マウスピース矯正(インビザライン)」の2種類があります。ただし、Ⅰ期治療で適切に対処できれば、Ⅱ期治療が不要になるケースも多くあります。

矯正治療のメリットとリスクを理解する

矯正治療で得られる効果

矯正治療には多くのメリットがあります。まず、見た目が美しくなることで自分に自信が持てるようになります。

歯並びが整うと歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが低減します。また、噛み合わせが改善されることで、食べ物をしっかりと噛めるようになり、消化機能の向上にもつながります。発音も明瞭になり、コミュニケーション能力の向上も期待できます。特に小児期に矯正を行うことで、顎の成長を適切に誘導し、将来的な外科手術のリスクを回避できる可能性があります。

知っておくべきリスクと副作用

矯正治療にはリスクや副作用も存在します。

矯正装置を付けた後しばらくは違和感や不快感、痛みが生じることがありますが、一般的には数日間から1、2週間で慣れてきます。治療中は矯正装置が歯の表面に付いているため食べ物が溜まりやすく、歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。適切なハミガキと定期的な歯科受診が不可欠です。

また、歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや、歯肉がやせて下がることがあります。ごく稀に歯が骨と癒着していて歯が動かないこと、歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死すること、金属アレルギー症状が出ることもあります。治療後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや噛み合わせの「後戻り」が生じる可能性があるため、メンテナンスが重要です。

むらせ歯科茂原院の小児矯正アプローチ

患者さんの負担を最小限にする治療方針

むらせ歯科茂原院では、患者さんの身体的負担や経済的負担を軽減することを大切にしています。

そのため、可能な限りⅠ期治療で矯正が終了するように治療を進めています。Ⅰ期治療だけで終わる場合、治療期間が短くなり、費用も少なくて済みます。ただし、口の状態によってはⅡ期治療が必要になるケースもあるため、その場合にはお子さんと親御さんにしっかりと治療の説明を行い、納得いただいてから治療を開始します。

充実したサポート体制

矯正治療は長期間にわたるため、定期的な通院とご家庭でのケアが重要です。

むらせ歯科茂原院では、初回の矯正相談から資料取り、診断、治療開始、そしてメンテナンス・保定治療まで、一貫したサポート体制を整えています。治療開始前には現在のお口の状態や身体の状態を詳しく把握するための検査を行い、資料の診断結果について丁寧に説明します。治療の流れや費用についても事前に明確にご案内し、安心して治療を受けていただける環境を提供しています。

治療後のメンテナンスの重要性

矯正治療が終了した後も、きれいに並んだ歯並びを維持するためのメンテナンスが必要です。

歯並びは永久的なものではなく、加齢によって徐々にでこぼこが出てくることがあります。保定装置を用いた定期的なメンテナンスを受けることで、美しい歯並びを長期間維持することができます。アンチエイジングの観点からも、定期的なプロフェッショナルケアとセルフケアのバランスが大切です。

まとめ…お子さんの未来のために今できること

指しゃぶりは3歳までであれば様子を見て大丈夫ですが、それ以降も続く場合は歯並びへの影響を考慮する必要があります。

上顎前突や開咬、歯列狭窄といった問題は、見た目だけでなく、噛む機能や発音、さらには全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。年齢に応じた適切な対処法を実践し、必要に応じて小児歯科専門医に相談することが大切です。小児期の矯正治療は、顎の成長をコントロールできる貴重な機会であり、Ⅰ期治療で原因から改善することで、将来的な治療負担を大幅に軽減できます。

お子さんの歯並びが少しでも気になったら、治療をするしないに関わらず、まずは専門家に相談してみましょう。プロの目で診断することで、その後の歯の移動を予測し、適切な治療開始時期についてアドバイスを受けることができます。お子さんの健やかな成長と美しい笑顔のために、今できることから始めてみませんか。むらせ歯科茂原院では、お子さんと親御さんに寄り添った丁寧な治療を提供しています。

 

歯列矯正による顎痛を改善する5つの専門的アプローチ

2025年10月21日

歯列矯正中に発生する顎痛の原因とメカニズム

歯列矯正治療を始めると、多くの患者さんが顎の痛みや違和感を経験します。この症状は決して珍しいものではありません。

矯正治療では、歯に持続的な力をかけて少しずつ移動させていきます。その過程で、顎関節や周囲の筋肉に負担がかかることで痛みが生じるのです。特に治療開始直後や装置の調整後に痛みを感じる方が多いようです。

顎痛が発生する主な原因としては、以下の5つが挙げられます。

  • ・咬合バランスの変化:矯正治療によって歯の位置が変わることで、噛み合わせのバランスが一時的に崩れます。これにより顎関節に過度な負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。
  • ・顎関節への負担増加:特に奥歯の位置が変わると、顎関節に新たな負担がかかります。
  • ・筋肉の緊張:矯正装置への違和感から無意識に顎に力が入り、筋肉が緊張状態になることがあります。
  • ・食いしばりの増加:ストレスや装置の違和感から、無意識に歯を食いしばる習慣が強まることがあります。
  • ・顎関節症の顕在化:もともと潜在していた顎関節症が、矯正治療をきっかけに症状として現れることもあります。

私が東京歯科大学で学んでいた頃、顎関節症と矯正治療の関連性について研究する機会がありました。多くの症例を見てきた経験から言えることは、適切な対処法を知っておくことで、痛みを最小限に抑えながら治療を続けることが可能だということです。

 

顎痛を改善する5つの専門的アプローチ

矯正治療中の顎痛は、適切なアプローチで改善できます。ここでは、臨床経験に基づいた効果的な5つの方法をご紹介します。

これらの方法は、むらせ歯科茂原院のような専門的な矯正治療を提供する歯科医院でも取り入れられている手法です。顎関節への負担を軽減しながら、効果的に歯並びを改善していくためのアプローチとして非常に重要なものです。

1. スプリント療法による顎関節の安定化

スプリント療法は、顎関節症の症状改善に非常に効果的なアプローチです。これは、上下の歯の間に装着する特殊なマウスピースを使用する治療法です。

このスプリントは、噛み合わせを理想的な位置に導き、顎関節への負担を均等に分散させる効果があります。特に矯正治療前や治療中に顎関節症の症状がある場合に有効です。

むらせ歯科茂原院では、矯正治療前にスプリント療法(11万円税込)を行うことで、顎関節症の改善と同時に歯並びの矯正を進めるアプローチを採用しています。これにより、顎関節症に由来する頭痛や肩こり、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状が改善されることが期待できます。

私自身、多くの患者さんにスプリント療法を提案してきましたが、特に夜間の歯ぎしりが激しい方や、顎関節に違和感を感じている方に効果的でした。

2. マウスピース型矯正装置の活用

透明なマウスピース型矯正装置は、従来のワイヤー矯正に比べて顎への負担が少ないという大きなメリットがあります。取り外しが可能で口内の違和感が少なく、食事や歯磨きも通常通り行えます。

特に顎関節症の症状がある患者さんには、このマウスピース型矯正装置が適していることが多いです。装置の厚みが緩衝材の役割を果たし、顎関節への負担を軽減する効果があるためです。

むらせ歯科茂原院では、マウスピース矯正に患者さんと医院間のコミュニケーションアプリを導入しており、治療の進捗確認や装置の交換時期の通知などが可能です。これにより、患者さんは安心して治療を続けることができます。

ただし、歯の移動量が大きい場合(抜歯が必要な場合)はマウスピース矯正だけでは難しいこともあるため、表側矯正や裏側矯正と併用することもあります。装置の装着時間を守らないと治療期間が延びる可能性もありますので、医師の指示に従うことが重要です。

3. 咬合調整による噛み合わせの最適化

矯正治療中に顎痛が生じる原因の一つに、噛み合わせのバランスの崩れがあります。咬合調整は、歯の表面を少し削ることで噛み合わせを調整し、顎への負担を均等に分散させる方法です。

特に矯正装置の調整後に噛み合わせが高くなっている部分があると、そこに力が集中して顎関節に負担がかかります。咬合調整を行うことで、この問題を解決できることが多いのです。

私の臨床経験では、矯正治療中に定期的な咬合チェックと調整を行うことで、顎痛の訴えが大幅に減少することが確認できています。特に奥歯の噛み合わせのバランスが重要です。

どうですか?あなたも矯正治療中に顎の痛みを感じたことはありませんか?

4. 顎関節運動訓練の実施

顎関節の運動訓練は、顎の筋肉のバランスを整え、関節の動きをスムーズにするのに役立ちます。簡単に自宅でできるエクササイズとして、以下のようなものがあります。

  • ・開口訓練:ゆっくりと口を開け、数秒間保持した後、ゆっくりと閉じる動作を10回程度繰り返します。
  • ・側方運動:下顎を左右にゆっくりと動かし、各方向で数秒間保持します。
  • ・前方運動:下顎を前に突き出し、数秒間保持した後、元の位置に戻します。
  • ・マッサージ:頬骨の下から顎関節にかけての筋肉を、指で円を描くようにやさしくマッサージします。

これらの運動は、1日2〜3回、各5〜10回程度行うことで効果が期待できます。ただし、痛みを感じる場合は無理をせず、歯科医師に相談することが大切です。

顎関節運動訓練は、矯正治療中だけでなく、治療後の安定期にも継続することで、顎関節の健康維持に役立ちます。

 

矯正装置の種類による顎痛リスクの違い

矯正装置の種類によって、顎痛のリスクや対処法は異なります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った矯正方法を選ぶことが重要です。

矯正装置は大きく分けて「固定式」と「取り外し式」があります。それぞれに利点と注意点があり、顎関節への影響も異なります。

ワイヤー矯正(固定式)の特徴と対策

ワイヤー矯正は、歯に直接ブラケットを接着し、ワイヤーを通して歯を移動させる方法です。強い矯正力が得られるため、複雑な症例にも対応できますが、顎への負担が大きくなる可能性があります。

ワイヤー矯正中に顎痛を軽減するためには、以下の対策が効果的です。

  • ・調整直後の柔らかい食事:ワイヤーの調整後は特に痛みを感じやすいため、柔らかい食事に切り替えることで顎への負担を減らせます。
  • ・温湿布の活用:顎関節部分に温湿布を当てることで、筋肉の緊張をほぐし、痛みを和らげる効果があります。
  • ・就寝時のナイトガード:特に歯ぎしりがある方は、就寝時にナイトガードを使用することで、顎関節への負担を軽減できます。

私が臨床で見てきた多くの症例では、ワイヤー矯正中の顎痛は一時的なものが多く、体が装置に慣れるにつれて徐々に軽減していくことがほとんどです。しかし、痛みが長期間続く場合は、早めに歯科医師に相談することをお勧めします。

マウスピース矯正の利点と注意点

マウスピース矯正は、透明な装置を使用するため目立ちにくく、取り外しも可能なので日常生活への影響が少ないという利点があります。また、顎関節への急激な負担が少ないため、顎痛のリスクも比較的低いとされています。

しかし、マウスピース矯正中に顎痛が生じるケースもあります。その主な原因と対策は以下の通りです。

  • ・奥歯の離開:マウスピース矯正の特性として、治療中に臼歯(奥歯)が歯茎方向に沈んでいくような移動が発生することがあります。これにより上下の奥歯のかみ合わせが離れる方向に移動し、一時的に奥歯が噛めなくなることがあります。この場合、マウスピースを装着している時は痛みが軽減することが特徴です。
  • ・食いしばりの誘発:マウスピースの素材には弾性があり、適度な厚みもあることから噛みやすく、食いしばりを誘発してしまうことがあります。特に上下歯列に顎間ゴムを使用している場合は、口が閉じる方向に誘導され、噛みしめ動作を行いやすくなります。

マウスピース矯正中に顎痛が生じた場合は、装置の装着状況や痛みのパターンを詳しく歯科医師に伝えることが重要です。症状に応じて、装置のデザイン変更や治療計画の調整が必要になることもあります。

矯正治療は一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの治療です。どのような矯正装置を選ぶにしても、定期的な通院と歯科医師とのコミュニケーションが重要になります。

 

顎痛を予防するための日常生活での工夫

矯正治療中の顎痛を予防・軽減するためには、日常生活での工夫も非常に重要です。ここでは、自宅でできる効果的な対策をご紹介します。

これらの方法は、私が長年の臨床経験から患者さんにお勧めしているものです。継続することで、顎関節の健康維持に役立ちます。

食事と咀嚼の工夫

食事の内容や食べ方を工夫することで、顎への負担を大幅に軽減できます。

  • ・バランスの良い咀嚼:左右均等に噛むことを意識しましょう。片側だけで噛む習慣があると、顎関節に偏った負担がかかります。
  • ・小さく切り分ける:食べ物を小さく切り分けることで、大きく口を開ける必要がなくなり、顎への負担が減ります。
  • ・硬い食べ物を避ける:特に矯正装置の調整直後は、硬い食べ物を避け、柔らかいものを選ぶようにしましょう。
  • ・ゆっくり噛む:急いで食べると顎に余計な力が入ります。ゆっくりと時間をかけて食事をすることで、顎への負担を減らせます。

私のある患者さんは、矯正治療中に顎の痛みを訴えていましたが、食事の際に意識して左右均等に噛むようにしたところ、数週間で症状が改善したケースがありました。小さな習慣の変化が大きな効果をもたらすことがあります。

ストレス管理と顎関節の関係

ストレスと顎関節症には密接な関係があります。ストレスを感じると、無意識のうちに歯を食いしばったり、顎に力が入ったりすることがあります。

ストレス管理のための効果的な方法としては、以下のようなものがあります。

  • ・深呼吸や瞑想:1日数分でも深呼吸や瞑想を行うことで、全身の筋肉の緊張をほぐす効果があります。
  • ・適度な運動:ウォーキングやヨガなどの適度な運動は、ストレスホルモンの分泌を抑え、全身の血行を促進します。
  • ・十分な睡眠:質の良い睡眠は、ストレス耐性を高め、筋肉の回復を促進します。
  • ・リラクゼーション:お風呂でのリラックスタイムや好きな音楽を聴くなど、自分なりのリラクゼーション方法を見つけることが大切です。

「ストレスと顎の痛みは切っても切れない関係にある」

これは私が患者さんによく伝える言葉です。ストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に管理することで、顎関節への負担を大幅に軽減できます。

 

専門医に相談すべき顎痛のサイン

矯正治療中の軽度の不快感や痛みは一般的ですが、以下のような症状がある場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。

顎関節の問題は、放置すると慢性化したり、より深刻な症状を引き起こしたりする可能性があります。早期発見・早期治療が重要です。

要注意の症状と対応策

  • ・強い痛みや腫れ:顎関節部分に強い痛みや腫れがある場合は、炎症が起きている可能性があります。
  • ・開口制限:口が十分に開かない、または開閉時に引っかかりを感じる場合は、関節円板の異常が疑われます。
  • ・異常音の増加:顎を動かす際のカクカク音やポキポキ音が増加した場合は、関節の状態が変化している可能性があります。
  • ・頭痛や耳痛の併発:顎の痛みに加えて、頭痛や耳痛が併発する場合は、顎関節症が進行している可能性があります。
  • ・噛み合わせの急な変化:突然噛み合わせが変わったと感じる場合は、顎関節や歯の位置に問題が生じている可能性があります。

これらの症状がある場合は、自己判断で対処せず、必ず担当の歯科医師に相談してください。適切な診断と治療が、症状の早期改善につながります。

むらせ歯科茂原院のような矯正治療と顎関節症治療の両方に対応している歯科医院では、矯正治療中の顎関節の問題にも適切に対応できます。特に不正咬合(悪い歯並び)の多くは顎関節にトラブルを持つ患者さんが多いため、矯正治療と顎関節症治療を並行して行うことが重要です。

 

まとめ:快適な矯正治療のために

歯列矯正による顎痛は、適切な対応と予防策で大幅に軽減できます。この記事でご紹介した5つの専門的アプローチ(スプリント療法、マウスピース型矯正装置の活用、咬合調整、顎関節運動訓練、適切な矯正装置の選択)と日常生活での工夫を取り入れることで、より快適な矯正治療が可能になります。

矯正治療は、美しい歯並びを得るだけでなく、噛み合わせの改善や顎関節の健康維持にも大きく貢献します。特に、むらせ歯科茂原院のような総合的な口腔ケアを提供する歯科医院では、矯正治療と同時に顎関節症の改善も行うことができます。

顎の痛みや違和感を感じたら、我慢せずに早めに専門医に相談することが大切です。適切な対応と継続的なケアで、健康的な口腔環境を維持しながら、理想の歯並びを手に入れましょう。

最後に、矯正治療は一人ひとりの症状や状態に合わせたオーダーメイドの治療です。ご自身に最適な治療法を見つけるためにも、専門医との十分なコミュニケーションを大切にしてください。

 

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