乳歯の虫歯が歯並びに影響?永久歯の健全な成長を守る6つのポイント
2026年01月29日
乳歯の虫歯が歯並びに影響?永久歯の健全な成長を守る6つのポイント

乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びに影響が出る可能性があります
「乳歯はどうせ生え変わるから、虫歯になっても大丈夫」と考えていませんか?
実は、この考え方は大きな間違いです。乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びや噛み合わせに深刻な影響を及ぼす可能性があります。乳歯は永久歯の「道しるべ」として重要な役割を果たしており、健全な永久歯列を育成するために欠かせない存在なのです。
乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、虫歯になりやすいという特徴があります。エナメル質の厚さは永久歯の半分ほどしかなく、虫歯菌から歯を守る力が弱いため、あっという間に虫歯が進行してしまうことも珍しくありません。さらに、乳歯の象牙質も永久歯より薄いため、虫歯菌が内部に侵入しやすく、神経まで達するスピードが速いのです。
この記事では、東京歯科大学で学んだ専門知識をもとに、乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響と、健全な永久歯の成長を守るための6つのポイントについて詳しく解説します。お子さんの将来の口腔健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす5つの深刻な影響
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯にさまざまな悪影響が及びます。
ここでは、特に重要な5つの影響について詳しく見ていきましょう。
永久歯の歯並びと噛み合わせが悪くなる
乳歯の虫歯が重症化して早期に抜け落ちてしまうと、永久歯が正しい位置に生えてこられなくなります。乳歯は永久歯が生えてくるスペースを確保する役割を担っており、早期に失われると隣接する歯が移動してしまうのです。その結果、永久歯が生えるスペースが狭くなり、歯並びや噛み合わせが悪くなってしまいます。
歯並びが悪くなると、将来的に歯列矯正が必要になるリスクが高まります。矯正治療には長期間と高額な費用がかかるため、乳歯の段階で適切なケアを行うことが重要です。

永久歯の発育不全や変色を引き起こす
乳歯の虫歯を放置していると、根っこの先に溜まったバイ菌が下から生えてくる永久歯に悪影響を及ぼします。これにより、永久歯の発育不全が引き起こされることがあります。
生えたての永久歯に白い斑点模様ができたり、茶色く着色した永久歯が生えてきたりする場合、これは「ターナー歯」または「エナメル質形成不全」と呼ばれる状態です。このような歯は虫歯菌の影響を受けやすく、将来的に虫歯になるリスクが高まります。
永久歯の虫歯リスクが高まる
乳歯の虫歯を放置すると、口の中の虫歯菌が増殖します。虫歯菌が多い環境では、新しく生えてきた健康な永久歯も虫歯になりやすくなってしまいます。
口腔内の細菌環境は、一度悪化すると改善が難しくなります。乳歯の段階から虫歯予防に取り組むことで、永久歯が生えてくる環境を清潔に保つことができるのです。
顎の発達が阻害される
乳歯は食べ物を噛むことで顎の骨の成長を促す重要な役割を担っています。虫歯で痛みがあると、子どもは痛みを避けるために片方の歯だけで噛む癖がついてしまいます。これにより、顎が十分に発達せず、顎のバランスが悪くなることがあります。
顎の発達が不十分だと、噛む力が弱くなるだけでなく、顔の歪みや発音障害につながる可能性もあります。成長期の顎の発達は、将来の口腔機能に大きく影響するため、乳歯の健康を保つことが極めて重要です。
口腔習癖を引き起こす
虫歯によって歯がむずがゆいと、子どもは指しゃぶりをしたり、舌を突き出したりする癖がつきやすくなります。また、虫歯によって前歯が欠如していると、舌癖などの口腔習癖を引き起こすことがあります。
これらの口腔習癖は、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼし、さらなる歯列不正を招く原因となります。早期に虫歯を治療し、口腔習癖の発生を防ぐことが大切です。
乳歯の虫歯が進行しやすい4つの理由
なぜ乳歯は虫歯になりやすく、進行も早いのでしょうか?
その理由を理解することで、より効果的な予防策を講じることができます。
歯の質が未熟でやわらかい
乳歯はまだ歯の質が未熟でやわらかいという特徴があります。エナメル質が薄く、象牙質も永久歯に比べて脆弱なため、虫歯の進行が非常に早いのです。気づかないうちに神経まで虫歯菌が及んでしまうことも珍しくありません。
定期的な歯科検診を受けることで、初期の虫歯を早期に発見し、進行を防ぐことができます。

形態的に不潔域ができやすい
乳歯は噛み合わせの溝が深く、歯ブラシの毛先がしっかりと届きにくい形態をしています。この溝に虫歯菌や食べかすが溜まりやすく、虫歯のリスクが高まります。
奥歯の溝を埋める「シーラント」という予防処置を行うことで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。シーラントは、溝の部分を白い材料で詰めることで、虫歯菌の侵入を防ぐ効果的な方法です。
家族内での虫歯菌の感染
虫歯菌は家族からも感染します。生後間もなくから2歳半くらいまでの時期は特に感染しやすく、家族内での食事の際の口移しや箸・スプーンの共有などから感染することがあります。
保護者の方ご自身の口腔健康を大切にすることが、お子さんの口腔健康を守ることにもつながります。家族全員で定期的な歯科検診を受け、口腔内を清潔に保つことが重要です。
間食が多く、だらだら食べをしている
だらだらとおやつを食べていると、口の中に糖分が停滞するため、常に口が酸性の状態になってしまいます。酸性の状態が続くと、歯のエナメル質が溶けやすくなり、虫歯ができやすい環境になります。
おやつを食べる際は時間を決めて、だらだら食べをしないように注意しましょう。規則正しい食習慣を身につけることが、虫歯予防の基本です。
永久歯の健全な成長を守る6つのポイント
ここからは、お子さんの永久歯を健全に育てるための具体的な6つのポイントをご紹介します。
これらのポイントを実践することで、将来の歯のトラブルを大幅に減らすことができます。
1. 毎日の仕上げ磨きを習慣化する
子どもが自分で完璧に歯を磨くのは難しいため、大人の仕上げ磨きが非常に重要です。歯と歯の間や歯茎の周辺を注意深く磨いてあげましょう。
1日2回以上の歯磨きを習慣化し、特に就寝前の歯磨きは丁寧に行うことが大切です。小学校低学年のお子さんでも、まだまだ歯磨きが安定していない場合が多いため、保護者の方の仕上げ磨きを続けることをおすすめします。
2. フッ素入り歯磨き粉を使用する
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯の進行を防ぐ効果があります。年齢に合ったフッ素入り歯磨き粉の使用を習慣づけましょう。
歯科医院でのフッ素塗布も効果的です。定期的にフッ素塗布を受けることで、歯質を強化し、虫歯になりにくい歯を育てることができます。

3. 規則正しい食習慣をつける
だらだら食べを避け、食事と間食の時間を決めることが虫歯予防に効果的です。食事の後は口をゆすぐか、可能であれば歯磨きをする習慣をつけましょう。
また、やわらかい食べ物ばかりではなく、前歯を使ってしっかり噛む必要がある食べ物を取り入れることで、顎の発達を促すことができます。
4. 定期的な歯科検診を受ける
定期的な歯科検診を受けることで、初期の虫歯を早期に発見し、進行を防ぐことができます。3〜6ヶ月ごとの定期検診が推奨されています。
歯科検診では、虫歯のチェックだけでなく、歯磨き指導やセルフケアグッズの紹介も行われます。専門家のアドバイスを受けることで、より効果的な虫歯予防が可能になります。
5. シーラントで奥歯の溝を保護する
奥歯の噛み合わせの溝は虫歯になりやすい部分です。この溝を白い材料で埋める「シーラント」という予防処置を行うことで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。
シーラントは生えたての永久歯に対して特に効果的です。永久歯が生えてきたら、早めに歯科医院でシーラント処置を受けることをおすすめします。
6. 口腔習癖の改善に取り組む
指しゃぶりや舌を突き出す癖、口呼吸などの口腔習癖は、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼします。これらの習癖に気づいたら、早めに改善に取り組むことが大切です。
口呼吸は上顎の成長を妨げ、歯並び悪化の原因となるだけでなく、病原菌が喉の粘膜から直接取り込まれてしまうため、健康のためにも良くありません。鼻呼吸を促すトレーニングや、必要に応じて耳鼻咽喉科の受診も検討しましょう。
小児矯正で永久歯の健全な成長をサポート
乳歯の段階から歯並びや噛み合わせに問題がある場合、小児矯正を検討することも重要です。
小児矯正は、成長期の特性を利用して顎や歯のバランスを整える治療法です。
小児矯正のⅠ期治療とⅡ期治療
小児矯正は、大きく分けて「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階で行われます。Ⅰ期治療は、永久歯が生えそろう前の段階で行われ、主に顎の成長を促したり、歯並びが悪くなる原因を取り除いたりすることを目的としています。
歯並びの状態によっては、Ⅰ期治療だけで完了することも可能です。Ⅰ期治療だけで終わる場合、治療期間が短くなり、費用も少なくて済みます。ただし、口の状態によってはⅡ期治療が必要になるケースもあります。
歯並びが悪くなる原因を改善する
歯並びが悪くなる主な原因は、「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全です。普段何もしていない時に舌が常に歯に触れている「舌癖」や、口呼吸、逆嚥下などが歯並びを悪化させる要因となります。
Ⅰ期治療では、「歯列矯正用咬合誘導装置」という方法で、これらの原因を改善していきます。歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう「原因」をオリジナル装置やトレーニングで改善していく治療法です。
年齢に応じた治療アプローチ

小児矯正は、お子さんの年齢によって治療アプローチが異なります。0〜2歳では姿勢の訓練、3〜5歳ではインファントというマウスピース型装置の使用、6〜9歳では歯列矯正用咬合誘導装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。
成長発育期の子どもたちに焦点を絞り、正常な機能を有する健全な永久歯列の育成を行うことが小児矯正の目的です。個人差がありますが、小学校低学年がベストな開始時期とされています。
まとめ:乳歯の健康が永久歯の未来を決める
乳歯の虫歯は「どうせ生え変わるから」と軽視されがちですが、実は永久歯の歯並びや噛み合わせ、さらには顎の発達にまで深刻な影響を及ぼす可能性があります。
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯が正しい位置に生えてこられなくなったり、発育不全を引き起こしたり、虫歯リスクが高まったりするなど、さまざまな問題が生じます。これらの問題は、お子さんの将来の口腔健康だけでなく、全身の健康や心理的な面にも影響を与える可能性があります。
永久歯の健全な成長を守るためには、毎日の仕上げ磨き、フッ素の活用、規則正しい食習慣、定期的な歯科検診、シーラント処置、口腔習癖の改善という6つのポイントが重要です。これらを実践することで、お子さんの歯を虫歯から守り、健康な永久歯列を育てることができます。
また、歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、成長期の特性を利用した小児矯正も有効な選択肢です。早期に専門家に相談し、適切な時期に治療を開始することで、将来の矯正治療の負担を軽減できる可能性があります。
お子さんの歯に少しでも気になる点があれば、治療をするしないに関わらず、まずは一度歯科医院にご相談ください。専門家の目で診断することで、その後の歯の成長を予測し、最適な治療計画を立てることができます。
むらせ歯科茂原院では、お子さんの矯正歯科治療に特化したサービスを提供しています。口腔周囲筋の機能不全を改善する「歯列矯正用咬合誘導装置」を使用し、歯並びが悪くなる原因を根本から改善します。患者さんの身体的・経済的負担を軽減するため、可能な限りⅠ期治療で矯正を完了させることを目指していますが、必要に応じてⅡ期治療も実施します。
お子さんと親御さんに十分な説明を行い、納得いただいた上で治療を進めていますので、安心してご相談ください。お子さんの健康な永久歯列を育てるために、私たちが全力でサポートいたします。






