歯列矯正の費用相場はいくら?分割払い・デンタルローン・医療費控除までまとめて解説
2026年01月23日
歯列矯正の費用相場とは?治療方法別に解説
歯列矯正を検討する際、最も気になるのが「費用」ではないでしょうか。
美しい歯並びを手に入れたいと思っても、実際にどれくらいの費用がかかるのか分からないと不安ですよね。矯正治療は一般的に高額になりがちですが、治療方法や範囲によって大きく異なります。
近年では、歯列矯正の平均費用は約66.8万円とされています。ただし、前歯だけの「部分矯正」と奥歯まで含めた「全体矯正」では、約30万円もの差があることが分かっています。
表側矯正(ワイヤー矯正)の費用相場
表側矯正は、歯の表面に矯正装置を取り付ける最も一般的な方法です。
費用相場は30〜130万円程度となっています。この方法は歴史が長く、多くの症例に対応できるため、幅広い歯並びの問題に適用可能です。ただし、装置が目立つという点がデメリットとして挙げられます。
裏側(リンガル)矯正の費用相場
裏側矯正は、歯の裏側に装置を取り付ける方法です。
費用相場は40〜170万円程度と、表側矯正よりも高額になります。装置が外から見えないため、見た目を気にする方に人気がありますが、技術的に難易度が高いため、費用も高くなる傾向にあります。
マウスピース矯正の費用相場
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を定期的に交換しながら歯並びを整える方法です。
費用相場は10〜100万円程度と幅があります。部分矯正であれば比較的安価に始められますが、全体矯正の場合は80〜100万円程度かかることもあります。取り外しができるため、食事や歯磨きがしやすいというメリットがあります。
出典:登戸グリーン歯科・矯正歯科「歯列矯正の費用と保険適用条件〜2025年最新ガイド」(2025年)より作成
子供の矯正治療の費用と特徴

子供の矯正治療は、大人の矯正とは異なる特徴があります。
一般的に子供の矯正治療は2段階で行われ、前半の治療を「I期治療」、後半の治療を「II期治療」といいます。可能であればI期治療で終了した方が、期間も短く済み、費用もそれほどかかりません。
I期治療の内容と費用
I期治療では、歯並びが悪くなる原因である「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全に着目します。
歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用して改善していきます。この装置は歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになる原因をオリジナル装置やトレーニングで改善する方法です。
年齢に応じたアプローチがあり・・・0〜2歳では姿勢の訓練、3〜5歳ではインファントという取り外し可能なマウスピース型装置を1日2回10〜20分使用、6〜9歳ではマイオブレーストレーナーという装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。
家庭でのトレーニング継続が重要で、専任スタッフの指導とオリジナルアプリケーションによる支援があります。
II期治療の内容と費用
I期治療が終わり、顎の補正が完了しても、歯並びそのものがでこぼこしていたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。
その場合に、仕上げのII期治療を行います。本格矯正には唇側マルチブラケット矯正(ワイヤー型)とマウスピース矯正(インビザライン)の2種類があります。矯正治療の費用は症状や治療内容によって異なりますが、約22〜110万円(税込)かかります。
保険適用される歯列矯正の条件
歯列矯正は基本的に「自由診療」となるため、保険適用外の治療です。
多くの方が審美的な目的で矯正を希望されるからです。しかし、例外的に保険が適用されるケースもあります。厚生労働省が定める特定の条件を満たす場合、健康保険の適用対象となります。
厚生労働省が定める疾患の場合
厚生労働省が定める特定の疾患がある場合、日常生活に支障をきたすため、保険適用の矯正治療を受けることができます。
2025年6月現在、該当する疾患は64種類あります。代表的なものとしては、唇顎口蓋裂、ダウン症候群、ゴールデンハー症候群などが挙げられます。これらの疾患は先天性のものが多く、口腔内の機能に影響を与えるため、健康上の理由から矯正治療が必要とされています。
永久歯萌出不全と顎変形症の場合
永久歯萌出不全とは、永久歯が適切な時期に生えてこない状態を指します。
前歯の永久歯が3本以上生えてこず、歯列不正や不正咬合が生じるおそれがある場合に保険が適用されます。また、顎変形症とは、上下の顎の位置や形状に異常があり、不正咬合を引き起こす疾患です。顎変形症の場合、噛み合わせの問題から食べ物をしっかり噛めなかったり、発音がしづらくなるなど、口腔機能に問題が生じます。
保険適用の条件としては、「顎口腔機能診断施設」として指定された医療機関で診断を受け、矯正治療に加えて顎の骨を切るなどの外科手術が必要と判断されることが条件です。
出典:登戸グリーン歯科・矯正歯科「歯列矯正の費用と保険適用条件〜2025年最新ガイド」(2025年)より作成
分割払いとデンタルローンの活用方法

歯列矯正の費用は高額になるため、一括払いが難しい方も多いでしょう。
そこで活用したいのが、分割払いやデンタルローンです。これらを利用することで、月々の負担を抑えながら矯正治療を受けることができます。
院内分割払いとは?
院内分割払いは、歯科医院が独自に提供する分割払いシステムです。
手数料や金利が比較的低く設定されていることが多く、審査も比較的緩やかです。ただし、分割回数に制限がある場合や、治療期間中に全額を支払う必要がある場合もあります。各歯科医院によって条件が異なるため、事前に確認することが大切です。
デンタルローンのメリット
デンタルローンは、患者が支払うべき治療費を信販会社が立替払いをして、その立替分を患者が分割で信販会社に返済していくものです。
信販会社が立替払いをした金額は、その患者のその立替払いをした年(歯科ローン契約が成立した時)の医療費控除の対象になります。院内分割よりも分割回数を多く設定できることが多く、月々の支払額を抑えられるメリットがあります。ただし、金利や手数料がかかるため、総支払額は一括払いよりも高くなります。
デンタルローンと医療費控除の関係
デンタルローンを利用した場合でも、医療費控除を受けることができます。
信販会社が立替払いをした金額は、その立替払いをした年の医療費控除の対象となります。ただし、歯科ローンに係る金利および手数料相当分は医療費控除の対象になりません。デンタルローンを利用した場合には、患者の手もとに歯科医の領収書がない場合があると考えられますが、この場合には、医療費控除を受けるときの支出を証明する書類として、歯科ローンの契約書や信販会社の領収書を保存してください。
出典:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」(令和7年4月1日現在法令等)より作成
医療費控除で費用負担を軽減する方法
医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が一定金額(原則10万円)を超えた場合、所得税が還付される制度です。
医療費が高額になった場合に、納めた税金の一部が返金されます。矯正治療費だけでなく、通院費用(交通費)も含まれます。
医療費控除の対象となる費用
医療費控除の対象となる費用には、診察代、検査代、矯正装置料、矯正器具の調整料・処置料、治療に必要な医薬品の費用、通院のための交通費(交通公共機関)が含まれます。
基本的に治療に必要となるものは全て医療費として含めることができます。お子様の治療を受ける場合は付き添い人の交通費まで対象になります。ただし、これは公共交通機関を使った場合に限られます。個人の自動車で通った際のガソリン代などは対象外となるので注意してください。
医療費控除額の計算方法
医療費控除額は、総医療費から保険金等で補填された額と10万円(総所得200万円以上の場合)を引いた金額です。
総所得200万円未満の場合は、総医療費から保険金等と総所得×5%を引いた金額となります。算出された「医療費控除額」に、自分の所得に応じた所得税率をかけると還付金の目安がわかります。
e-Taxで確定申告する方法
医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。
e-Taxを使えば、自宅からオンラインで申告でき、手間が少なくスピーディーです。必要書類は、源泉徴収票、医療費の領収書、医療費控除の明細書(国税庁サイトで作成可能)、マイナンバーカード(カード方式で申告する場合)です。e-Taxで申告する場合、領収書の提出は不要ですが、税務署から求められたときに提示できるよう、手元に整理して保管しておきましょう。
申告内容を税務署が確認後、指定口座に所得税の還付金が振り込まれます。
出典:矯正歯科ネット「【2026年度版】高額な矯正治療費を確定申告(医療費控除)e-Taxを活用」(2026年)より作成
矯正治療のメリットとデメリット

歯列矯正を始める前に、メリットとデメリットを理解しておくことが大切です。
治療には一定の期間と費用がかかりますので、十分に検討してから決断しましょう。
矯正治療のメリット
矯正治療の最大のメリットは、噛み合わせが整うことです。
正しい噛み合わせになると、食べ物をしっかり噛めるようになり、消化吸収も良くなります。また、歯並びが整うと歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病になりにくくなります。さらに、見た目の改善により、自信を持って笑えるようになるという心理的なメリットもあります。
矯正治療のデメリットと注意点
矯正治療のデメリットとしては、抜歯が必要な場合があることが挙げられます。
また、自費診療で高額になることや、歯根吸収が起こる可能性があることなどがあります。治療中は矯正装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことや、歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
まとめ:歯列矯正の費用を賢く抑える方法
歯列矯正の費用は、治療方法や範囲によって大きく異なります。
平均的には約66.8万円程度ですが、表側矯正で30〜130万円、裏側矯正で40〜170万円、マウスピース矯正で10〜100万円程度と幅があります。子供の矯正治療では、I期治療とII期治療の2段階で行われ、約22〜110万円(税込)かかります。
保険適用されるケースは限られていますが、厚生労働省が定める64種類の疾患や、永久歯萌出不全、顎変形症などの場合は保険が適用されます。
費用負担を軽減する方法として、分割払いやデンタルローンの活用、医療費控除の申請があります。デンタルローンを利用した場合でも医療費控除の対象となり、e-Taxで簡単に確定申告できます。医療費控除は医療費を支払った翌年から5年間申告可能なので、忘れずに申請しましょう。
矯正治療を検討している方は、まず歯科医院で相談し、自分に合った治療方法と支払い方法を選ぶことが大切です。美しい歯並びと健康な口腔環境を手に入れるために、計画的に治療を進めていきましょう。
むらせ歯科では、子供の矯正治療を2段階(I期治療とII期治療)で提供しています。歯並びを創造することと同時に、患者様の肉体的負担・経済的負担を抑えることを重視し、可能な限りI期治療で完了するよう治療を進めています。大人の歯が生えてきたタイミングでの相談を推奨しており、プロの目で診断することで今後の歯の動きを予測し、適切な治療開始時期を提案しています。
矯正治療に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。






