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噛み合わせ矯正の新常識〜全身バランスを整える治療法とは?

2025年12月9日

噛み合わせが全身に与える影響とは

噛み合わせの乱れは、単なる歯並びの問題ではありません。

実は、頭痛や肩こり、腰痛といった慢性的な不調の原因が「噛み合わせ」にあるケースが少なくないのです。歯と歯が接触する位置がわずかにずれているだけで、顎関節に過度な負担がかかり、それが全身の筋肉バランスを崩してしまいます。頭蓋骨と下あごは「咀嚼筋」という筋肉でのみ連結されているため、噛み合わせの異常は筋肉の緊張を引き起こし、やがて骨格や神経、さらには内臓にまで影響を及ぼすことがあるのです。

噛み合わせが乱れると、まず頭部が傾きます。重い頭部を支えるために、身体全体が無意識にバランスを取ろうとするのです。例えば、頭が右に傾けば左肩に力がかかり、それを補正しようと右腰で支え、さらに左足でバランスを取る……という連鎖が起こります。このように、噛み合わせの不具合は前後左右上下の3次元で身体全体に波及し、筋肉から骨格、神経、内臓へと影響が広がっていくのです。

噛み合わせの乱れが引き起こす具体的な症状

噛み合わせの異常は、さまざまな症状を引き起こします。

顎関節症は代表的な症状のひとつで、口を開けたときに「カクカク」「ゴリゴリ」といった異音がしたり、顎が痛んだり、口を大きく開けられなくなったりします。顎関節は耳に近い場所にあるため、耳の痛みや耳鳴りを引き起こすこともあるのです。さらに、顎の筋肉は首を通って肩の筋肉までつながっているため、肩こりや首の痛み、頭痛といった症状も現れやすくなります。

顎関節症と頭痛・肩こりの関係

顎関節症による頭痛は、朝起きたときに特に強く感じることが多いのが特徴です。これは、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりによって顎の筋肉が緊張するためと考えられています。側頭筋や咬筋といった咀嚼筋の緊張は、頭痛の直接的な原因となることが知られています。また、顎関節の問題は姿勢の変化を引き起こし、それが首や肩の筋肉の緊張につながるのです。

消化器官への負担

噛み合わせが悪いと、食べ物を細かく噛み砕くことができません。

その結果、大きいままの食べ物が胃に送られることになり、消化不良を起こしやすくなります。さらに、噛む回数が減ることで消化酵素を含む唾液の分泌も減少するため、消化器官への負担が大きくなるのです。よく噛むことは唾液の分泌を促し、消化を助ける重要な役割を果たしています。

姿勢の歪みと全身のバランス崩壊

噛み合わせのバランスが悪いと、無意識のうちに頭の位置を調整しようとして姿勢が崩れることがあります。これが長期間続くと、背骨の歪みや筋肉の緊張を引き起こし、慢性的な腰痛や肩こりの原因となることも。片側だけで噛む癖がある場合、よく噛む方のあごの筋肉が発達し、それに伴い骨格も変わります。顔の筋肉の発達のバランスが崩れると顔の左右差が生じ、顔のゆがみや顔つきが変わってくる可能性もあるのです。

口呼吸と免疫力低下の関係

歯並びが悪いと、鼻呼吸が難しくなり口呼吸になりやすくなります。

口呼吸は鼻呼吸と比べて、空気の浄化や加湿、温度調整などの機能が不十分です。鼻には空気中の細菌やウイルス、ホコリなどを捕らえる線毛や粘膜があり、これらが体内に侵入するのを防いでいます。しかし口呼吸ではこの防御機能がバイパスされるため、感染症にかかるリスクが高まるのです。また、口呼吸は口腔内を乾燥させ、唾液の抗菌作用が低下することで口腔内の細菌が増殖しやすくなります。これが歯周病のリスクを高め、さらに全身の免疫力にも影響を及ぼす可能性があるのです。

さらに、口呼吸は睡眠時無呼吸症候群のリスクを高め、睡眠の質を悪化させることも知られています。質の良い睡眠が取れないと、日中の集中力低下やイライラ、慢性的な疲労感につながります。

噛み合わせ矯正の新しいアプローチ

従来の矯正治療は、歯並びを綺麗にすることに重点が置かれていました。

しかし、近年では「噛み合わせ」と「全身のバランス」を同時に整える治療法が注目されています。単に歯を削って調整するだけでなく、顎の動き、筋肉の緊張、頭の位置までを包括的に見直す全身バランス重視の治療法です。この考え方は「シン・中心位」と呼ばれ、顎関節・筋肉・歯列が最も安定した位置関係を基準とした診断・治療を行います。

マウスピース矯正の進化

透明なマウスピース型矯正装置は、目立ちにくく取り外しが可能という利点があります。

装置の取り外しができるため、口内の違和感が少なく、通常通りの食事ができ、歯磨きや装置の洗浄も簡単に行えます。最近では、患者と医院とのコミュニケーションアプリを導入している医院も増えており、歯の動きをスライドショーで確認できたり、マウスピースの交換時期を通知する機能が付与されています。ただし、装置の装着時間を守らないと治療期間が延びる可能性があり、歯の移動量が大きい場合(抜歯が必要な場合)はマウスピース矯正だけでは難しく、表側矯正や裏側矯正と併用することがあります。

顎関節症に配慮した治療

不正咬合の多くは顎関節にトラブルを持つ方が多いため、矯正治療に入る前にスプリント療法を行うケースが増えています。スプリント療法とは、専用のマウスピースを装着することで顎や筋肉の緊張を緩和する治療法です。これにより、歯並びを綺麗に整えるだけではなく、顎関節症の改善も同時に行っていきます。顎関節症に由来する不定愁訴(頭痛・肩こりなど)、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの症状が改善されることが期待できます。

総合的な口腔ケアの重要性

矯正治療を成功させるには、虫歯や歯周病の予防も欠かせません。

矯正治療を始める前の初期処置(虫歯・歯周病・抜歯)や、矯正中の虫歯予防・歯周病予防が重要であるにもかかわらず、矯正専門の医院ではこれらに対応していないところが多いのです。特に、歯に取り付けるタイプの矯正装置は汚れが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びを綺麗にしても、虫歯や歯周病で歯を失っては元も子もありません。矯正を始めるときは、「歯を綺麗にする」だけではなく、「虫歯や歯周病予防にも力を入れているのか」も、医院選びの判断基準の1つとして参考にしてください。

噛み合わせと歯周病の関係

歯周病の大きな原因の一つに「噛み合わせ異常」があります。

噛み合わせ治療を行っている方が、噛み合わせの状態が改善され、全身症状も改善し、さらに歯周病も改善するというケースが多く見られます。定期的に治療やクリーニングをしていても改善しない歯周病がある場合は、一度「噛み合わせ異常」を疑ってみてください。噛み合わせの悪さによる歯周組織への負担過重や血行循環障害などから、歯周ポケットが発生します。噛み合わせ異常が原因で発症した歯周病は、クリーニングと並行し、噛み合わせの治療を行う必要があるのです。

まとめ〜全身の健康は噛み合わせから

噛み合わせの乱れは、単なる歯並びの問題ではありません。

頭痛、肩こり、腰痛、消化不良、姿勢の歪み、免疫力の低下など、全身にさまざまな影響を及ぼします。原因不明の体調不良で悩んでいる方は、もしかすると噛み合わせが原因かもしれません。近年では、透明なマウスピース型矯正装置や顎関節症に配慮したスプリント療法など、全身バランスを整える新しい治療法が登場しています。矯正治療を検討する際は、歯並びを綺麗にするだけでなく、虫歯・歯周病予防にも力を入れている医院を選ぶことが重要です。噛み合わせを整えることで、美しい歯並びと全身の健康を同時に手に入れましょう。

むらせ歯科茂原院では、透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置を提供し、患者と医院とのコミュニケーションアプリを導入しています。矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応し、顎関節症に配慮したスプリント療法も実施しています。総合的な口腔ケアで、あなたの笑顔と健康をサポートします。

 

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