インプラント治療前に知るべき骨量の重要性|骨造成が必要なケースとは
2025年12月15日
インプラント治療前に知るべき骨量の重要性|骨造成が必要なケースとは

インプラント治療における骨量の重要性
インプラント治療を検討されている方の中には、「骨が足りない」と言われて戸惑った経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インプラント治療は、失った歯の機能を取り戻すための優れた選択肢ですが、その成功には「顎の骨の状態」が大きく関わっています。骨の量や質が不足していると、インプラントを安全に埋め込むことが難しくなるだけでなく、治療後の長期的な安定性にも影響を及ぼす可能性があります。
当院では、天然歯を可能な限り残すことを第一に考えていますが、どうしても歯を残せない場合の選択肢として、安全で確実なインプラント治療を提供しています。そのためには、治療前の徹底した診査診断が欠かせません。
この記事では、インプラント治療における骨量の重要性と、骨が不足している場合の対処法である「骨造成」について詳しく解説します。
骨量・骨質・骨密度…インプラント治療に必要な骨の条件
インプラント治療の成功を左右する要素として、「骨量」「骨質」「骨密度」という3つの指標があります。
これらは一見似ているようですが、それぞれ異なる意味を持っています。
骨量とは何か
骨量とは、骨全体に含まれるミネラル成分などの量を指しています。単純な骨の体積ではなく、顎の骨の外形や全体的な評価に使われる指標です。インプラント治療においては、少なくとも高さ10ミリ、幅8ミリ以上の骨量があることが理想的とされています。
下顎の場合は、下顎管という神経や動脈が通っているトンネルを避けて、この骨量を確保する必要があります。

骨質という概念
骨質には医学的な明確な定義はありませんが、インプラント治療においては「骨の硬さ」や「骨の強度」という意味で捉えられています。骨質を決めるのは、骨のコラーゲン線維の量や石灰化の具合、骨の構造などです。
石灰化が進むと骨は硬くなり、コラーゲン線維の量が増えると軟らかくなります。
骨密度の役割
骨密度は、骨に含まれるミネラル成分の量を単位体積あたりでどれくらいあるかを測ったものです。骨密度が高いほど、インプラントの「初期固定」が得られやすくなります。初期固定とは、インプラントを埋め込んだ時の安定性を意味しており、インプラントの予後を決める重要な要素です。
骨量や骨密度が高いほど初期固定が有利となり、インプラントと骨が結合しやすくなることが明らかになっています。
なぜ骨が不足するのか…骨吸収のメカニズム
歯を失った後の顎の骨は、使われなくなることで自然と痩せてしまいます。
これを「骨吸収」と呼びます。
骨は日常的な咬む刺激によって維持されていますが、歯が抜けるとその刺激が失われ、時間の経過とともに骨はどんどん減少していきます。特に抜歯後そのままにしておくと、インプラントを支えるのに十分な骨量が確保できない状態になることがあります。
また、歯周病の重症化により骨吸収が進んだ場合も、骨が欠損した状態になります。歯周病は歯を支えている骨を溶かす病気であり、進行すると歯槽骨を一度失ってしまうため、その部分へのインプラント埋入が難しくなります。
骨が欠損した部分では、骨を作る「骨芽細胞」よりも、骨にならない「線維芽細胞」の方が増殖しやすいという特徴があります。
CT撮影とシミュレーションソフトによる正確な診査診断

当院では、インプラント治療の安全性を最優先するため、治療前の診査診断を徹底しています。
その中核となるのが、CT撮影とシミュレーションソフトの活用です。
CTによる立体的な骨の把握
CTとは、骨の量や厚さ、神経の位置を立体的に把握できる撮影機器です。従来のレントゲンは一方向からしか見ることができなかったため、骨格の全体像や神経・血管との位置関係が今ほどはっきりとは分かりませんでした。
CTはあらゆる角度から撮影できるので、正確な診査診断ができ、安全性と治療のクオリティを高めることができます。
シミュレーションソフトで手術計画を明確化
CT撮影したデータをシミュレーションソフト(ノーベルガイド)に取り込むことで、手術の手順などを明確にすることが可能です。何ミリ歯茎を切ればいいのか、インプラントを入れる方向や深さ、インプラントのサイズ、神経や血管の位置など、必要な情報を1つひとつ確認できるので、正確な手術が可能になります。
このような事前の情報収集や診査診断、患者さんオリジナルの治療計画の立案が、安全なインプラント治療につながります。
骨造成とは…骨を増やす治療法の概要
骨造成とは、インプラントを安定して埋めるために、足りない骨を増やす外科的処置です。
一般的には、人工の骨補填材や自分自身の骨を使って、骨が足りない部分を補います。数ヶ月かけて骨が再生・定着するのを待ち、その後インプラントを埋め込みます。人工の骨補填材の場合は吸収に約半年から1年の期間がかかります。
また自分自身の骨を使う場合は採取できる量に制限があること、状況によっては手術部位が二か所以上になるため、身体の負担が大きくなるというデメリットがあります。

GBR法(骨誘導再生法)
GBRは、Guided Bone Regenerationの略で、日本語では骨誘導再生法と訳される治療法です。骨が足りない部分に人工骨を詰め、特殊な膜で覆って骨の再生を促す方法です。特殊な膜で囲んだ中に人工骨をパンパンに詰めてソーセージのようにするソーセージテクニックと呼ばれる方法もあります。
人工骨の種類にもたくさんの種類があります。牛の骨を利用した人工骨、ヒトの骨を利用した人工骨、自分の骨を利用するものがあります。後者になるほど成功率が良いとされています。特殊な膜は骨ができた後に取り除くことが多いので、骨造成とは別に膜を取り除く手術も必要になります。
サイナスリフト
上顎の骨は「上顎洞」という名前の副鼻腔につながっています。上顎の骨が薄い場合に、上顎洞側に骨を造ることをサイナスリフトと言います。上顎洞にはシュナイダー膜という膜が元々あるので、その膜を破らないように剥がして、人工の骨を詰めることで骨を造ります。
膜を破らないようにするためには、骨を大きく削って中の様子がよく見えるようにしなければなりません。そのためサイナスリフトは身体への負担が大きく、痛みや腫れが伴うことが多いです。
ソケットリフト
ソケットリフトとは歯を抜いた後のくぼみ(ソケット)から骨に穴を開けて、部分的に上顎洞に骨を造る方法です。サイナスリフトに比べて骨を削る量が少ないため、痛みや腫れが少ないという利点があります。
ただし前述したシュナイダー膜が破れてしまうことが多く、破れないように人工の骨を詰めていくためには熟練の技が必要です。当院ではソケットリフトの症例が多数ありますので、お気軽にお問い合わせください。
骨造成のメリットとデメリット
骨造成を行うことで、インプラント治療の安全性と長期的な安定性を高めることができます。
しかし、治療期間の延長や身体的負担といったデメリットも存在します。
骨造成を行うメリット
骨造成により十分な量の骨を確保できると、インプラントを埋め込んだ際に骨を突き抜けたり、歯ぐきから露出したりなどのトラブルを防げます。また、手術時のリスクを軽減でき、より安全にこだわった治療の実現が期待できます。
さらに、骨造成を行った結果、噛み合わせに適した理想的な位置へインプラントを埋入することができます。そのため、審美性や機能性が向上します。定期的なケアを続ければ長期間にわたって安心して使用できるようになります。
骨が痩せている場所は歯ぐきが下がり、周囲の歯や歯ぐきとのバランスが悪くなっている可能性があります。骨造成によって骨が確保できると、歯と歯ぐきのバランスが改善され、見た目の美しさを取り戻せるようになります。
骨造成のデメリット
骨造成を行うときは外科手術のうえ、自家骨や骨補填材が骨として再生されるまで数ヶ月間の期間を待たなければなりません。当初予定していた治療期間よりも長くなることがほとんどです。
また、喫煙などの習慣や全身疾患などをお持ちの場合は、骨造成後の治癒がうまくいかない恐れがあります。その場合はインプラントではなく、入れ歯やブリッジを用いた治療のご案内が可能です。

当院のインプラント治療の特徴…安全性を最優先
当院では「インプラント治療はどうしても歯を残すことができない場合の1つの選択肢」と考えています。
天然歯に勝る人工歯はありませんので、「歯を残せる」と判断した場合はできる限り抜かない方向で治療法を考えます。
ガイデッドサージェリーによる正確な手術
ガイデッドサージェリーとは、インプラント手術を正確に行うための道具のことです。CTデータとシミュレーションソフトによる分析で得られた、インプラントを埋め込む位置、角度、深さなどの情報を反映させたマウスピースのようなものとお考え下さい。
さらに、手術時間の短縮になったり、骨が少なくて他院では断られたりした場合でも手術できる可能性が高くなります。
世界シェアトップのインプラントメーカーを使用
当院では、世界シェア1位の「ストローマン社のインプラントシステム」と、世界シェア2位の「ノーベルバイオケア社のインプラントシステム」を使用しています。シェアが高いということは、それだけ多くの治療実績があり、世界中の歯科医師から信頼を得ているという証です。
インプラントメーカーは世界で200社、日本だけでも30社以上存在しますが、これら全てを兼ね備えたメーカーは多くはありません。当院で取り扱っているインプラントメーカーは、自信をもってお勧めすることができます。
インプラント周囲炎の予防とメンテナンス
インプラントは入れたら終わりではなく、長く使い続けるために「治療後のメンテナンス」が必要になります。メンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」という病気になる可能性があるからです。
インプラント周囲炎とは、歯周病と同じでインプラントを支えている骨を溶かす病気です。見た目の炎症や腫れがあまり目立たないのが特徴で、病気の進行するスピードは天然歯(自分の歯)に比べて約10~20倍速くなります。
当院には、科学的根拠に基づいたオリジナルのメンテナンスシステムがあります。患者さんオリジナルのメンテナンスプログラムを作成し、口の状態やインプラントの管理を徹底して守っています。
安心の10年保証システム「ガイドデント」
当院では10年の保証期間を設けています。さらに、当院はインプラント第三者保証機関「ガイドデント」に認定されているので、一般的には保証対象にならないケースでも保証できます。
一般的には、予期しない事故(交通事故など)は保証の対象になりません。しかし当院の保証システムは、転倒などの家での事故や仕事、スポーツ、レジャー中の様々なシーンで起きるインプラントの破折、脱落も無償で再治療を行います。
引っ越しで当院に通うことが難しくなった場合には、再治療ネットワークで最寄りの認定医院をご紹介します。そのため、保証内容が変わることなく同じ条件で保証を受けることが可能です。
まとめ…骨量の確保がインプラント治療成功の鍵
インプラント治療における骨量の重要性について解説してきました。
骨量・骨質・骨密度という3つの指標が、インプラントの初期固定や長期的な安定性に大きく影響します。骨が不足している場合でも、GBR法やサイナスリフト、ソケットリフトといった骨造成を行うことで、安全なインプラント治療が可能になります。
当院では、CT撮影とシミュレーションソフトを活用した正確な診査診断、ガイデッドサージェリーによる安全性の高い手術、世界シェアトップのインプラントメーカーの使用、そして科学的根拠に基づいたメンテナンスシステムにより、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。
インプラント治療を検討されている方、他院で「骨が足りない」と言われた方も、まずは一度ご相談ください。天然歯を可能な限り残すことを第一に考え、どうしても歯を残せない場合の選択肢として、安全で長期的に使える高品質なインプラント治療をご提案いたします。
むらせ歯科茂原院では、患者さんの大切な歯と健康を守るため、最新の技術と豊富な経験をもとに、安心・安全なインプラント治療を提供しています。お気軽にお問い合わせください。






